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と「お前何者だよ。彼女が困ってんだろ」
義兄「お、お前こそ何者だ!?」
と「俺は彼女のお隣さんだ。それよりサクラから離れろ」
としみつさんは防犯ブザーを鳴らしたままで、周辺の人達は私達を見ていた。
義兄「……チッ、またねA。また今度会いに行くから」
そう伝えて義兄は去って行った。
と「大丈夫かサクラ?」
『はい。ありがとうございます』
と「アイツ知り合いか?」
『知り合いというか……義兄です』
と「義兄って…あの話で言ってた…!?」
『はい。としみつさんが来るまで私の膝をずっと触ってきて…助かりました。ありがとうございます』
と「いや俺が1人にしたせいだ。ごめん」
私は『大丈夫です』と言いながら、としみつさんの手元を見ると防犯ブザーを持っていた。
そういえば、としみつさん防犯ブザーなんか持ってたっけ?
『としみつさん、それって…』
と「あぁ、これな」
としみつさんは防犯ブザーを私の前に差し出した。
と「この前俺のせいで捨てちまって…弁償つーか…」
『そんなの悪いです!』
私は返そうとすると「いいから受け取れ!」と強い反論が来てビクッとしてしまう。
と「あ、悪ぃ」
『いえ大丈夫です』
と「またさっきみたいな事が起こって欲しくねぇんだ。お前にとって、これがお守りなんだろ?」
としみつさんの口調がさっきより優しくなった。
たしかにさっきみたいな事が起こったら怖くて何も出来ない。
『ありがとうございます』
私はとしみつさんから
と「あともう1つ…」
としみつさんは持ってた紙袋からゴソゴソと何か探してる。
と「……あった!はい」
紙袋からクマのマスコットキーホルダーが出てきた。
と「俺からのお守り。コイツを俺だと思って」
『クマがとしみつさん…?』
私はとしみつさんとクマのマスコットを交互に見ていると笑いが出た。
と「え!!何で笑う!?」
『ごめんなさい。としみつさんにクマのイメージがなくて…』
と「そうか?」
『でも嬉しいです。ありがとうございます!』
私はクマのマスコットキーホルダーを防犯ブザーに付けた。
と「そんじゃ帰るか」
『はい』
今日少しとしみつさんとの距離が縮んだ気がした。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年9月14日 20時