19.としみつside ページ19
『──話は以上です』
彼女の話は全部胸糞悪い事ばかりで心苦しくなった。
もし俺が女だったら死にたいもんだ。
と｢…男性恐怖症を治したいって思った事はあるのか？｣
『はい…何度も。今日こそ話しかけてみよう…と思っても勇気が出ず。今の東海オンエアの皆さんの様に』
話している彼女の顔はずっと涙ぐんでいて、俺まで痛々しく感じる。
と｢俺…あんたがそんなに苦しい思いをしてるなんて知らなくて、あんなに酷い事をしてしまって…ごめん｣
『いえ、としみつさんは悪くありません』
彼女は大丈夫と笑顔言っても、心から笑っていると思えない。
俺に何かできることはないか…？
と｢なぁ……俺が治してやろうか？｣
『…え？』
と｢俺が男性恐怖症を治してやるよ｣
『治すってどうやって』
と｢うーん。具体的でいうと、話したり触る練習ってもんか？｣
『はぁ…』
と｢まぁ簡単に言うと、俺を実験体で会話や接触するって事だ。接触っつっても握手だけど｣
『…いいのですか？こんな私の為に』
と｢あたりめぇだ！こんな話聞いて｢はいそうですか｣って言う奴の方がおかしいだろ。
──それに、俺はお前に協力したい｣
『としみつさん』
と｢てか、なんだかんだで俺に話しかける事もクリアしてるし｣
『そ、そうですね』
彼女は今度こそ心から笑ってるような笑顔を見せてくれた。
『としみつさん』
と｢ん？｣
『私、男性恐怖症を治したいです。なので…協力してくれませんか？』
と｢あぁ。もちろん｣
俺はこの時思った……
彼女を絶対治してやると
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作者名：ぺぺぺ | 作成日時：2021年9月14日 20時
