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鬼札 切札 捨札 ページ23

×××


プルルルル......プルルルル......♪

見覚えのある名前が、端末に表示された。然も、よりにもよって電話。今直ぐに『拒否』ボタンを押したい処だが、私は一応『通話』ボタンを押して応答する。


「......もしもし?」

『はぁい、Aちゃん。元気かな?』


相手の声を聞いた瞬間、私の指は自然と通話を終了させようと動き出す。電話越しに相手___太宰 治の方は「待ち給え、切らないで」と、云って来た。

思わず大きな溜息を吐く。キーボードを弾く手を止めて、私は同僚に席を少し外す事を云えば椅子から腰を上げた。
場所を変え、相手に向かって「用件は何ですか? 手短かに」そう伝える。「判っているよ」と、相手は若干拗ねた様な口調になった。


『簡単に云うとだねぇ、君の力を私達に貸して欲しいのだよ』

「......探偵社に?」


用件は単純だった。
状況を頭の中で思い出して整理をする。探偵社は人員も資金も、何方もマフィアや組合に劣る。それ故に今回の戦争に、政府機関を引き摺り込む心算(つもり)らしい。


「随分と派手に動こうとしましたね。組合との戦争に、私達政府を巻き込もうなんて......」

『異能組織犯罪を取り締まるのが、君達特務課の御役目だろう?』


確かに、特務課には異能組織犯罪を取り締まると云う役割を担っている。だが、実際は監視をするだけで、自ら犯罪を裁く事は無い。中には、危険な異能者を監視・必要が有れば支援班によって標的を始末する等も有るのだが、殆どは監視だ。

話を聞き終えた私は、「......知っていて(・・・・・)、私に掛けたのですか?」と、彼に尋ねる。彼は「うふふ」なんて薄気味悪い笑い声を上げた。

路地裏で会った時、彼に提案を持ち掛けられた。けど突然、「やっぱ その時になる迄言わなーい」なんて巫山戯られ、結局何の目的が有ったのかは判らなかった。
真逆この時を狙っていたなんて、本当に悪知恵が働く人物と関わったと思う。


「何故 私に? 交渉でしたら私でなく、坂口さんではありませんか?」

『勿論、安吾には連絡を入れたよ。君に連絡をしたのには 伝えた方が善いかも知れない報せを聞いたからだ」

「......報せ?」


私は彼の科白に眉を寄せた。彼は少々間を開けると、ゆっくりと其の報せを話し出す。


『ポートマフィアの首領が、“ Q ”を座敷牢から解き放った......如何云う事か判るかい?』

「......“ Q ”!?」


(つい)に彼等は、鬼札を切って来たと云う事だ。


×××

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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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