風ト緋ト羅生ノ狗ー 侵入者 ー ページ15
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本来楢ば二時間かかる荷積みの準備を、後三十分で済ませる他ナサニエルは更に乗員達に指示を出す。
時間が圧倒的に足りない、乗員達は焦るが彼は冷静だ。
通常搬入と並行し、輸送ヘリで直接デッキのヘリポートに荷物を降ろす様に云う。その他、船周辺の警戒を強化する事を伝えれば、乗員達は急いで彼の指示に従い動き出した。
「ちょっとホーソーン 本気? 島国の
「やれやれ...頭に藁屑でも詰まっておいでですか?」
内容は少々気になったが、マーガレットは大して本気にしていないのか、呆れた表情を浮かべていた。ナサニエルはそんな彼女に冷ややかな視線を送ると、淡々とした口調で説明をし始める。
「陸地に拠点を持てない我々組合にとって、この船は前線基地に等しい。それ故 燃料や武器、消耗品を本国から補給する必要があるのです」
「知ってるわよ! それが何?」
「補給中の今が最も無防備なのですよ」
そう、燃料や武器の補給をしているこの状況を狙って、マフィアは奇襲を仕掛けて来る可能性が高いのだ。組合の異能者二人の命を奪う事は無理でも、無防備な状態の船を沈める事は可能だろう。
説明を終えると、マーガレットは黙ってしまう。ナサニエルの言葉の通り、自分達の命を奪えなくても、拠点である船を沈めるかも知れない。拠点が崩れただけでも、組合には大きな
「急ぎ積み込みを終わらせ 出航します。沖に出れば敵も手は出せない」
「ホーソーン様 不審な男を発見しました!」
***
「......却説、そろそろかな」
動き出す楢ば今だろう。
目的が読めた相手の行動を予想するのは、実に簡単だ。港から少々離れた建物の路地裏を、普段と変わらない足取りで歩く。
時折吹く潮風が頰を優しく撫で、少々擽ったく感じる。
「何で貴方が居るんです?」
背後から声を掛けられた。歩みを止め、ゆっくりと声の主の方に身体を向ける。其の人物は腕を組み、呆れた様な表情を浮かべていた。
「君が動き出す楢、今だと思ってね」
私は口角を上げ、ニコッと笑みを浮かべると目の前にいる相手を見る。
「成る程」
「それで何だけど、君に
提案と云う言葉に彼女は最初、琥珀色の瞳を少し大きく見開いた。
けれど、直ぐに此の意味を理解したのか、彼女は私の話を聞く姿勢をとってくれる。
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時