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第9幕 優しさの記憶 ページ10

「ハァァァァァァ!?」

猿飛は恐ろしい剣幕で、Aに掴みかかった。

「ちょっとォォォォ!!記憶喪失ってどーいう事よ!!

 それなら私と銀さんと、三人でしたあんなコトやそんなコトも忘れちゃったって言うの!?」

「あんなコトもそんなコトもしてねーよ」

猿飛の勢いは、まさに弾丸の如し、だ。

Aはたじろいで、思わず一歩退く。

新八はこんなものはもう慣れっこだ、というように苦笑いをしていた。

因みに、『あんなコト』説を否定したのは、摩利支天・服部全蔵。

彼はジャンプを片手に、顎をさすりながらAに向かって言う。

「まァ、アレだ。俺とアンタはそれほど付き合いが多いわけじゃねェけど、

 アンタがお人好しだったってのは、何となく分かってたぜ」

「お人好し・・・・」

かつての自分の特徴を呪文のように繰り返すA。

服部はその様子を見て、フッと微笑んだ。

「そーだな・・・後はアンタの日課」

「はァ?何でてめーがAの日課を知ってんだよ」

横からジャンプを盗み見ながら、銀時は服部を睨み付けた。

服部はジャンプを閉じると、文句を言う銀時の声を背にごそごそとコートを探り始める。

そして、手にしたものをAの手にポンと置いた。

「あ。ボラギノール(座薬タイプ)なんだけど。アンタの日課はコレを・・・・」

「死ねェェェェェェ!!!!!!」

美しい青空の下、ドゴォォォォンという爆音が、辺りに響きわたった。

神楽と猿飛は涼しい顔で、『ふぅ、間に合った』と呟く。

「え・・・・ちょっ・・・・・・だ・・・大丈夫なんですか!?」

「えぇ。心配ないわ」

ボラギノール(座薬タイプ)を手にオロオロするAに、猿飛はニッコリと微笑みかけた。

そして、次の瞬間。

「オイ、クソガキ、猿飛てめェェェェ!!俺まだ最後まで言ってねーだろーが!!!!」

無傷の服部が、神楽と猿飛に向かって罵倒する。

何が起こったのかは知る由もないが、それでもあの爆発から生還したとは・・・。

やはり、摩利支天の異名を持つだけはある。

猿飛はクナイを構え、服部をキッと睨み付けた。

「何を言うかは大体想像出来るのよ!!このイボ痔!!」

今にも大喧嘩を始めそうな雰囲気が漂う。

巻き込まれたら面倒だ。

銀時は自然な動作でAの手を引くと、猿飛たちのそばを足早に離れていった。

彼のもう片手に、先程まで服部が持っていたジャンプがあったのは秘密である。

第10幕 友の記憶→←第8幕 過去の愛情



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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なーさん(プロフ) - テスト頑張ってください!! (2014年11月16日 18時) (レス) id: d351fb8f9b (このIDを非表示/違反報告)
List(プロフ) - 頑張ってください!!いい結果待ってます!!^^ (2014年11月16日 18時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
声優志望の塊 - テスト頑張って下さい!!私も期末テストがァァァ…(汗)お互い頑張りましょう!! (2014年11月16日 16時) (レス) id: 6657ffd95b (このIDを非表示/違反報告)
リア - アニさん» 春雨は一応出てくる予定です!!メインではないので、申し訳程度ですが・・・・・。楽しみにしていてください!! (2014年11月16日 14時) (レス) id: d14a04e072 (このIDを非表示/違反報告)
アニ - 御返事ありがとうございます!紫京登場しましたけど、春雨がでてくるのでしょうか?p (2014年11月9日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年9月18日 20時

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