銀魂 光翼鳥の剣 黄金に輝く月 上

第４７幕　私の望む世界　（主人公サイド） ページ48

幸せな夢。

瞼を閉じる瞬間まで、その事を考えていた。

他の事を考えられるような余裕は・・・・もうどこにも無かった。

いつか感じた頭痛よりも、ずっとずっと辛い頭痛。

それ以上に痛む胸。

私は・・・・・・それから逃げたかったのかもしれない。

どんなに御門達に強気に振る舞っても。

心のどこかでは、弱っていく自分が居て・・・・。

現実から逃げたい自分が居て・・・・・。

幸せな夢。

私の望む世界。

それは・・・・・。

お父さんがいて、お母さんがいて、村の皆がいて・・・・・・。

銀時がいて、小太郎がいて、晋助がいて、辰馬がいて。

松陽先生がいて、神楽ちゃんや新八君に勉強を教えちゃったりして。

横では神威が退屈そうにして、阿伏兎さんが溜息をつく姿が想像できる。

蓬莱さんも元気に笑っていて、月詠さんや日輪さん、晴太君とお茶を飲んでいそうだな。

異三郎さんと鴨太郎さんは・・・静かに口喧嘩しつつも意外と気が合いそう。

その間には近藤さんが入って、話について行けずに困り顔で人の好い笑みを浮かべて。

それを退君は鉄君と一緒に呆れ顔で見るのかな。

総悟は相変わらず信女ちゃんとそりが合わなくて、喧嘩ばかりして・・・・。

でもそれが楽しいんだろうな。

皆もそれを分かってるから、本気で二人を止めはしない。

万斉さんも、二人の喧嘩を楽しんで、お通ちゃんの音楽を聴きながら観戦をしていたり。

他にも・・・皆・・・・。

皆が、笑っていればそれでいい。

そうだ、私・・・・私は・・・・・。

あなたの・・・・隣に居られれば・・・・・・・・・。

視界が真っ暗になる。

でも全く怖くは無かった。

だって、待っているのは皆の笑顔だって分かっていたから。

それが例え、刹那の夢が見せる幻想でも。

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