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第41話 将軍と攘夷志士 ページ41

「よォ、災難だったな」

「そうでもない。素敵な夏休みになった」

あの後の事は、あまりにも収拾がつかなくなったので、省略するとする。

兎に角、『パッツリゴムもっさりブリーフ派』の将軍は、騎馬戦に勝ったと言えるだろう。

恐らく、多分。

男性陣は将軍の何かに魅せられたのか、彼にすっかり平伏し、

女性陣は心行くままにビーチバレーを楽しんで、プールを後にした。

今はプール内もすっかり静かになっている。

残っているのは、未だにボートで漂っているAと、それを見守る神威。

そして、ベンチに座って会話をしている将軍と高杉、そして桂だった。

何とも危険な組み合わせだ。

ストッパーと言えた銀時と長谷川は、すっかり疲れ切って逃げるように帰ってしまったし、

Aをここに連れてきた近藤は色々あって水着を失ったため、早々に退散していった。

「・・・・・・・・・・」

暫く沈黙が続いたが、やがて口を開いたのは高杉。

「・・・・・・上条Aって知ってるか?」

高杉の問いに、将軍は少し驚いたようにして答える。

「あの娘の事じゃないのか・・・・・?」

「あァ。他には?」

「・・・・・・・・・」

高杉の様子に、何か意図を汲み取ったのか、将軍の口調が少し変わる。

「彼女は・・・・・・大切な幕臣の一人だ」

「・・・・・・・・・・・やはり、気付いていたのか」

桂の言葉に、将軍は少し笑みを漏らす。

「『大切な幕臣の一人』・・・・・だからな」

「・・・・・・・・」

飽く迄も、大切な幕臣。

抜きん出て大切という訳でもなく。

自分の道具とする訳でもなく。

大勢いる大切な幕臣の中の大切な一人。

「・・・・成程なァ・・・・・どうやら今すぐ首を獲りに行く必要はねーようだ」

高杉は何でもない事の様に呟く。

実際は、とんでもない内容なのだが。

桂と高杉は、そのまま静かに立ち上がって歩き出した。

去り際に一度、未だに座り込んだままの将軍を振り返って言う。

「・・・だが、気をつけろ」

「いつかテメー自身や、テメーんとこの相談役が、

 傾城に続いて光翼鳥〈アイツ〉を、道具として使おうとし始めたら・・・・・・・」

高杉は最後まで言わず、さっと自分の首筋を指先で撫でた。

その動作の意味する所を、徳川茂々は察知して顔を僅かにしかめる。

やがて、二人の姿は見えなくなった。

彼は、Aの姿を見やりながら、小さく呟く。


「・・・・・道具・・・・・・・だと・・・・?」

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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をのょ. - わぁぁぁ!!わぁぁぁぁ!!!!思っていることをうまく表せないです!とりあえず、えと・・・あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!! (2014年9月18日 20時) (レス) id: 755a4634a6 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - おもしろい。神威ラブの人がいてうれしいです (2014年9月18日 19時) (レス) id: 8574347931 (このIDを非表示/違反報告)
小説大好き - 日和さんの言う通りですね^^あってはならない3人という感じです!わぁー!この続きがとても楽しみで授業に集中できませんね^^w (2014年9月16日 6時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - あれ、シリアス…?というか、将ちゃんと高杉と桂って組み合わせがwリアさんやりますね…! (2014年9月15日 22時) (レス) id: 09c363d2fa (このIDを非表示/違反報告)
アニ - リアさん詳しい解説ありがとうございます!そうなのですか、二人とも男らしいですね。ミツバ編の土方さんみたいです…なんというか切ないですね…(..) (2014年9月15日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年7月26日 14時

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