第３４話 チャンス ページ34
「A、まだ来ないんスかねェ・・・」
神威とAが別れてから少しして。
将ちゃんに興味を失ったのか、彼から視線を外してそう言うまた子。
既に、これがAと近藤のデートだという事実は完全に頭から抜け出ていた。
何だかんだ言って、近藤も皆で遊ぶのを楽しんでいるようだから、いいと言えばいいのだが。
また子は浮き輪に手を突きながら、誰にともなく呟く。
「いつまで恥らってるつもりッスか。我武者羅に泳いで無茶苦茶に遊べば何とも無いってのに」
その声はとても不満げだ。
また子は相当Aと遊びたいらしい。
・・と言っても、それはまた子に限った話ではない。
未だに将ちゃんについて何やら討論している神楽や妙達も、
Aの事が気になるのか、隙あらばの彼女の様子を窺っていた。
そんな彼女達――勿論『彼等』も混じっている――が可笑しかったのか、
神威はクスリと笑みを漏らす。
それに気づいたのは、その時一番近くにいた神楽。
「・・・・・・どうしたアルか？」
怪訝な顔でそう尋ねる神楽に、神威は本当に可笑しくて仕方がないといった表情で答える。
「無駄だよ、神楽。水着がどうこう以前に、Aは泳げないんだから」
「！？」
神威からのとんでもないカミングアウト。
唯一それを知っていて、今迄黙っていた高杉は、後頭部をガツンと殴られたような気分になる。
「オイ、神・・・・・・・」
高杉は何とも言い難い表情で、神威に声をかけた。
が。
「神威ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！何言ってるのよ！！！！！！！！」
それは、Aの強烈な叫び声であっさりとかき消される。
どうやら、向こうにまで聞こえるような声の大きさだったらしい。
それか、Aの耳が良すぎるのか。
「ん？だって誰にも話さないとは言ってないでしょ？」
「な・・・・・・・・な・・・・・・・・」
悪びれた様子もなくそう言う神威に、Aは妙な声しか漏らせなくなる。
彼女のその様子に、神楽の驚きも確信に変わった。
「・・・・・A、本当に泳げないアルか？」
「・・・・・・・・・・・」
無言の肯定。
・・・・・・・・・泳げない・・・・・・・・。
Aは羞恥のあまりに、顔を真っ赤にする。
その間に、彼女以外の者の頭の中では様々な思いが渦巻いていた。
そう。
これは・・・・・・・チャンスではないか、と。
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をのょ. - わぁぁぁ！！わぁぁぁぁ！！！！思っていることをうまく表せないです！とりあえず、えと・・・あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ！！！！ (2014年9月18日 20時) (
レス) id: 755a4634a6 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - おもしろい。神威ラブの人がいてうれしいです (2014年9月18日 19時) (レス) id: 8574347931 (このIDを非表示/違反報告)
小説大好き - 日和さんの言う通りですね＾＾あってはならない3人という感じです！わぁー！この続きがとても楽しみで授業に集中できませんね＾＾ｗ (2014年9月16日 6時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - あれ、シリアス…？というか、将ちゃんと高杉と桂って組み合わせがwリアさんやりますね…！ (2014年9月15日 22時) (レス) id: 09c363d2fa (このIDを非表示/違反報告)
アニ - リアさん詳しい解説ありがとうございます！そうなのですか、二人とも男らしいですね。ミツバ編の土方さんみたいです…なんというか切ないですね…(..) (2014年9月15日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2014年7月26日 14時
