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第33話 仕返ししてやる!! ページ33

「神威、驚かせないでよ・・」

Aは驚きでバクバクとうるさい心臓を抑えながら、少し大きめの声で言う。

だが、すぐに近くに近藤がいる事を思い出して、慌てて声を抑えた。

今は将ちゃんに釘付けとはいえ、いつこちらに意識が向くか分からない。

「どうしたの、突然?」

Aはコソコソと尋ねる。

しかし、神威は声の調子を全く変えることなく呑気に言った。

「ん?別に?まだプール入らないのかなって」

正論過ぎる言葉だ。

Aは誤魔化しの意味も込めて、ただただ乾いた笑いを漏らす。

神威はそんな彼女を見かねたのか、軽く手を引っ張った。

「ほら、それならせめて足だけでも入っておきなよ。勿体無いから」

Aは今迄足さえもプールの中に入れていなかったのだ。

水着になるのを拒否しているため、泳ぐ事は出来ないとはいえ、

脚だけで気分を味わう事は出来る。

他の人は意識していなかったが、神威はそれに気づいていたらしい。

そうして神威に手を引かれ、足が水につきそうになった途端、Aをどっと恐怖感が襲う。

「ひっ!?」

Aは小さな悲鳴をあげて、さっと足を引っ込めた。

「え?」

彼女の意外な反応に、神威は大きく戸惑いを見せる。

そして同時に、彼の頭の中をある予感がよぎった。

「A、まさか・・・・・」

「・・・・・・」

Aは『しまった』と言いたげに、硬直したまま動かない。

「・・・水が怖い・・っていうか、泳げないの?」

「・・・・・・・・・・・・はい」

神威の笑顔の圧力に押されて、Aは思わず頷く。

「成程ね。水着になれないのにはもう一つ理由があった訳だ」

水着になれば、嫌でも水の中に入る事になる。

そうすれば、この場にいる全員に泳げないという事がバレてしまうはずだ。

「変な所で見栄っ張りだね。どうせいつかバレるのに」

「う・・」

神威の言葉に反論など出来るはずもなく、Aは言葉を詰まらせる。

そんな彼女を面白がるように笑いながら、神威はそっと彼女の頬を両手で包んだ。

「可愛い」

そう言った彼の表情は、とても愛おしげで。

「!!」

顔を真っ赤にして動揺するAをよそに、神威はいつもの笑みを浮かべた。

「ま、何かあったら助けてはあげるよ」

そう言って遠ざかって行く彼の背を見て、Aは徐々に敗北感を覚え始める。

「・・・絶対に仕返ししてやる」

彼女はそう呟きながら、プールの水を片手ですくった。

第34話 チャンス→←第32話 将ちゃん



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作品ジャンル:アニメ
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をのょ. - わぁぁぁ!!わぁぁぁぁ!!!!思っていることをうまく表せないです!とりあえず、えと・・・あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!! (2014年9月18日 20時) (レス) id: 755a4634a6 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - おもしろい。神威ラブの人がいてうれしいです (2014年9月18日 19時) (レス) id: 8574347931 (このIDを非表示/違反報告)
小説大好き - 日和さんの言う通りですね^^あってはならない3人という感じです!わぁー!この続きがとても楽しみで授業に集中できませんね^^w (2014年9月16日 6時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - あれ、シリアス…?というか、将ちゃんと高杉と桂って組み合わせがwリアさんやりますね…! (2014年9月15日 22時) (レス) id: 09c363d2fa (このIDを非表示/違反報告)
アニ - リアさん詳しい解説ありがとうございます!そうなのですか、二人とも男らしいですね。ミツバ編の土方さんみたいです…なんというか切ないですね…(..) (2014年9月15日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年7月26日 14時

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