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第28話 楽園 ページ28

「やっぱり誤解アルか」

「まァ当然ッスね。Aがアイツと関係持ったなんて想像したくないし」

「関係って・・・・・」

神楽とまた子の言葉に、Aは顔を引きつらせる。

うっかり土方の名前を出して、さらに誤解を大それたものにしてしまったA。

その誤解を解くために、彼女は結局全てを話す事になってしまった。

・・・・ごめんなさい、土方さん・・・・・。

心の中で土方に必死に謝罪をする。

Aは土方の姿を想像して、大きく溜息をついた。

罪悪感からなのか、それとも別の理由からなのか、胸の奥がズキズキと痛む。

とりあえず近藤達は何も聞かなかった事にしてくれるらしいから、

これ以上自体が大きくなる事はないだろう。

「・・・・・」

彼女は静かに目を伏せた。





「ほらほら元気出せよ、銀さん。誤解だったんだから」

元々設置してあるベンチに腰掛けながら、対話をする銀時と長谷川。

泳ぐ練習をする九兵衛と妙の楽しげな声が、耳に虚しく響いた。

銀時は落胆した様子で頷く。

「まァそうなんだけどさ。一度受けたショックからは中々抜け出せないっていうか・・・」

声もすっかり憔悴していた。

長谷川は徐々に、銀時から滲み出る負のオーラに侵食されるような感覚を覚える。

やがて彼もまた、ぐったりと頭を垂れて言った。

「・・・別にいいじゃねーか。そっちは未来がお先真っ暗って訳じゃねーんだから。

 こっちはプールをアホ共の貸切状態にしちまったんだ。折角のかき入れ時に・・・・・・」

「・・・・・・・」

銀時もこの閑散としたプールに多少は責任を感じているのか、ふむ、と考え込み始める。

視界には、近藤から死角になる位置でプールをすっかり満喫している

高杉や神威達の姿がチラチラと映っていた。

また子も彼らと合流したらしく、高杉を楽しませようと懸命になっている。

「・・・・考え方を変えよう、長谷川さん」

銀時は静かに言った。

「こんなアホ共と一緒のプールに居たら、確実に事故が起こる。むしろ客が居なくなって

 良かったんだ。んでもって、今日一日遊べば奴らも満足するだろ。今日一日捨てるだけで、

 残る夏休みの安全が保障されるんだよ。俺達も、今日位はゆっくり休ませてもらおうや」

銀時の言葉を、長谷川はじわじわと理解していく。

彼の言葉は、とても道理に合っていて魅力的だった。

長谷川は、ついに吹っ切れたような笑みを浮かべて言う。

「・・・・・そうだな」

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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をのょ. - わぁぁぁ!!わぁぁぁぁ!!!!思っていることをうまく表せないです!とりあえず、えと・・・あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!! (2014年9月18日 20時) (レス) id: 755a4634a6 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - おもしろい。神威ラブの人がいてうれしいです (2014年9月18日 19時) (レス) id: 8574347931 (このIDを非表示/違反報告)
小説大好き - 日和さんの言う通りですね^^あってはならない3人という感じです!わぁー!この続きがとても楽しみで授業に集中できませんね^^w (2014年9月16日 6時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - あれ、シリアス…?というか、将ちゃんと高杉と桂って組み合わせがwリアさんやりますね…! (2014年9月15日 22時) (レス) id: 09c363d2fa (このIDを非表示/違反報告)
アニ - リアさん詳しい解説ありがとうございます!そうなのですか、二人とも男らしいですね。ミツバ編の土方さんみたいです…なんというか切ないですね…(..) (2014年9月15日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年7月26日 14時

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