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第49話 「高杉」 ページ49

「ねえ、席外してもらえる?」

神威は死んだように眠る高杉を見つめながら言った。

「二人だけで、話がしたいんだ」

彼の意外な発言に、阿伏兎は目を瞬く。

今の高杉は、呼吸こそそれなりに安定しているものの、目を覚ます気配は全くない。

つまり、話すと言っても神威の一方通行という事になる。

返事もしない相手に話をするというのは、割と飽き性な神威らしくなかった。

・・・ホントに変わったな、アンタは。

阿伏兎は心の中でそう呟く。

彼はそのまま、何も聞く事無く部屋を出て行った。

もちろん、坂本や陸奥も自主的に部屋を出る。

パタン、と静かに扉が閉められた。

「そんじゃ、説明してくれるかね」

部屋を出てすぐ、阿伏兎は坂本達の方を振り返る。

「俺だけこの状況を理解してないってのも不公平だろ?」




阿伏兎は別の部屋に通された。

彼と向かい合うようにして座っているのは陸奥。

坂本は部下に呼ばれて、今ここにはいない。

どのみち、説明上手な陸奥が話をする事になったであろうから、

坂本の不在は大した問題ではなかった。

陸奥は頭の中を簡単に整理してから、口を開く。

「・・・あれは、わしらが久しぶりに地球に帰ってきた時じゃった」

坂本は、高杉と会う約束を事前に取り付けていた。

しかし、彼らが地球に着いたのは夜中。

いくら坂本でも迷惑だろうと思い、また後日訪ねることになった。

「じゃが、その時坂本がとある人影に気付いた。

 その影は海から這いつくばるように出てきて、そのまま地面に倒れて動かなくなったぜよ」

もちろん、そんな人間を坂本達が放っておけるはずもない。

彼等はすぐに、その人影に駆け寄った。

「・・・それが、高杉だったと?」

阿伏兎は深刻な面持ちで、確認するように尋ねる。

陸奥は大きく頷いた。

「その通りじゃ。奴は自力で這い上がってきた事が不思議なくらいの大怪我をおってたぜよ」

彼の身に何があったのかは分からなかったが、坂本も陸奥も、翌日になれば鬼兵隊の誰かが

高杉がいないことに気付いて連絡をよこしてくるだろうと思っていた。

坂本との約束は、誰かしらが知っているはずだ。

ならば、当然坂本に相談してくるだろう。

だが、連絡は来なかった。

不思議に思うと同時に、嫌な予感がした。

「・・じゃから、わしらは暫く高杉の存在を隠し、鬼兵隊の様子を伺う事にした」

そして、彼らは気付いた。

「今鬼兵隊にいる『高杉』は・・・偽物じゃ」

第50話 推理 (神威サイド)→←第48話 本当の姿



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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