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第42話 本望 ページ42

「とにかく、手遅れになる前にあの男を止めろ」

桂はそう言って高杉を睨み付けた。

あの男とは、もちろん岡田の事だ。

岡田の身体は紅桜の伝達指令についていけず、悲鳴を上げている。

高杉ももちろんそれを知っているはずだが、彼は決して動かなかった。

「ありゃアイツが自ら望んでやった事だ」

彼は非情にもそう言い放つ。

「あれで死んだとしても本望だろう」




「本望だと?」

兄である鉄矢の言葉を、鉄子は信じられないような思いで聞いていた。

鉄矢は大きく頷く。

「その通りだ!!あの男はな、まさしく刀になる事を望んでいた!!

 高杉という篝火を護るための刀に!!再び闇に戻るくらいならば、火に飛び入り、

 その勢いを増長させるのも厭わん男だ!!」

どちらかというと熱血さを感じさせる鉄矢の無駄に大きい声が、今は冷たく聞こえた。

話し方はいつもと変わらないのに、全く別の人の声を聞いているような気分だ。

鉄子は黙って鉄矢の話を聞く。

「光に目を焼かれ、最早それ以外見えぬ!!なんと哀れで愚かな男か・・・・!!

 しかしそこには・・善も悪も超えた所には・・美がある!!

 一振りの剣と同じく、そこには美がある!!」




「刀は斬る。刀匠は打つ。侍は・・・なんだろうな。まァ何にせよ、一つの目的のために

 存在するモノは、強くしなやかで美しいんだそうだ。・・・剣のように」

高杉は自らの刀を眺めながら言った。

「クク・・単純な連中だろ。だが、嫌いじゃねーよ」




「アレのどこが美しい?あんなモノが兄者の作りたかったモノだと言うのか。

 もう止めてくれ。私は兄者の刀で血が流れるところをもう見たくない」

鉄子は小さな声でそう言う。

何となく鉄矢と目を合わせられなくて、彼女はそっと視線を落とした。

鉄矢は腕を組み、険しい表情になる。

「ならば何故あの男をここに連れてきた!?わざわざ死にに来させたようなものではないか!!

 まさかお前の打った鈍刀で私の紅桜に勝てるとでも・・・」

彼がそう言ったその時。

彼の背後でドガガッと痛々しい音が響く。

「なっ・・・!?」

鉄矢はそこで倒れている人物を見て、目を見張った。

そこにいたのは銀時ではなく、岡田だった。

第43話 宇宙一バカな侍共へ→←第41話 曖昧



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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