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第41話 曖昧 ページ41

攘夷志士達は声を上げる間もなく絶命する。

チン。

桂は静かに刀を収めた。

倒れてピクリとも動かなくなった彼らを見る事さえせず、桂はまっすぐ前を見つめる。

彼の視線の先には、この騒動の原因となった人物と・・・。

「小太郎!?」

「A・・・!!」

Aは桂の姿を見とめると、すぐに彼に向かって駆け出した。

高杉はそんな彼女を静かに見つめている。

彼が何を思っているのかは、彼自身にしか分からない。

「小太郎!!良かった・・・・!!」

Aはそう言って、桂に抱きついた。

桂は驚きながらも、Aをしっかりと受け止める。

Aの温もりが胸にじんわりと広がった。

ようやく、今生きていることを実感した気がした。

込み上げてくる様々な想いを感じながら、桂もギュッと彼女を抱きしめ返す。

「A・・すまなかったな。単独行動を取るために、お前に・・お前達に余計な心配をかけた」

「いい・・いいの・・。小太郎が無事だったならそれで・・・」

Aは顔を上げて、ふわりと微笑んだ。

桂もつられて微笑み返す。

暫くして、二人はゆっくりと体を放した。

そして、高杉にしっかり向き直る。

高杉は口元に笑みを浮かべながら、上を見上げた。

いや、正確には屋根の上で戦っている銀時を見たのだ。

「・・ヅラ、A。あれ見ろ。銀時が来てる」

A達は、大して驚いた素振りも見せずに、上を見上げた。

長年銀時と付き合っている彼らには、何だかんだ言いながらも銀時がこういう事にすぐに

首を突っ込んでくるであろう事は、容易に想像できた。

高杉は続ける。

「紅桜相手にやろうってつもりらしいよ。クク・・生身で戦艦とやり合うようなもんだぜ」

「・・・もはや人間の動きではないな。・・・あの男、死ぬぞ」

桂は岡田を見ながら静かに告げた。

Aも鋭い声で言う。

「晋助、一体何を考えてるの?誰かの死を踏み台にするような事ばかりして・・・。

 私にはとても、仲間や先生のために攘夷志士になったあなたのする行動とは思えないわ」

「そもそも・・・何故『紅桜』の名を使った?」

「・・・」

高杉は僅かな沈黙の後、桂の問いにのみ答える。

「か・・・いや、Aを誘き寄せるためってのもあった。

 ・・・まァ、結局ヅラが斬られたって方にAは引っかかったみてーだが」

「・・・?」

どこか曖昧だ。

Aも桂も、訝しげに目を細める。

確かに高杉は『も』と言った。

第42話 本望→←第40話 闇夜の虫は光に集う (岡田サイド)



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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