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第31話 遅すぎた全て ページ31

「・・・いいのか?」

神威が部屋を出てから少し行った所に、阿伏兎が立っていた。

阿伏兎の顔はいつになく真剣だった。

神威はいつも通りの笑みを浮かべてうなずく。

「・・覚悟は出来たよ。もし予想が間違ってたら、追われる組織がまた一つ増えちゃうけど」

「・・・・・・・・・・」

「少なくとも、Aは信じてた」

「・・・それを確認するためだけにあそこまでしたのか」

そう言われて、神威は僅かに顔を伏せる。

「Aには悪かったと思ってるよ。

 ・・・でも、今回の事は生半可な覚悟じゃきっとどうにも出来ない」

神威は初めて笑みを消した真剣な顔を見せた。

「俺だって、今のアイツが本当の高杉だなんて思ってない。

 俺は、憎悪や血に塗れた世界を忘れろと言ったあの時の高杉を・・・信じてる」

阿伏兎は軽く目を見開いた。

まさか、団長の口から『信じる』なんて言葉が聞けるとは・・・。

「行くよ」

神威はそう言って歩き出した。

阿伏兎はその後ろ姿を眩しそうに見つめる。

「・・・・・・・俺だって・・・・・・・信じてるっての」

阿伏兎はそう呟いて歩き出した。






俺はあんな事をしてAを試した。

でも、それ以上の感情があった事も否定できない。

あの機会を逃したら、Aに二度と触れる事が出来ないと思ったのも事実。

きっと、Aにとって何より大事なのは、攘夷時代共に戦った彼らと・・・・

真選組。

俺は、Aと出会うのが遅すぎた。

今の生き方に気付くのが遅すぎた。

俺はそっと目を閉じる。

「A・・・それでも俺は、君の事を・・・・・」







神威の言葉は、本人の耳にも聞こえなかった。

第32話 攘夷志士の暁→←第30話 試練



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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