銀魂 光翼鳥の剣９ 月下乱舞 上

第２５話　粥　（銀時サイド） ページ25

「オイ・・本当にいいのか、九兵衛？」

俺は妙に聞こえないように気を付けながら、そう尋ねた。

九兵衛は小さくうなずく。

「妙ちゃんが作ったものなら、僕は喜んで食べる。・・・・・それに」

九兵衛の顔が僅かに赤く染まった。

「そ・・それに・・これを食べたら、Aちゃんも僕を見直して・・・」

「・・・・・・・」

だから、Aはそんな単純じゃねーって！！

そんなに単純だったら、俺がとっくにAを落として・・・・。

・・・・・・。

・・・・・落とせるかな？

アイツの周りって男が多かったし・・・・アレ、自信がなくなってきた。

凄く悲しいんだけど。

とりあえず、俺は自ら生贄となった九兵衛に礼を言った。

「・・まァ・・今度お前の命が危うくなった時は、一回は助けるって約束するから・・・な？」

「・・・それは喜ぶべきなのか？」

その後、九兵衛が腹を壊したという事は言うまでもない。





それから少し経った頃だった。

「あの・・銀さん。お客さんです」

妙が襖を僅かに開いて、おずおずと言う。

出来れば俺とその客を会わせたくない。

そんな雰囲気だった。

俺はすぐに、その客が誰なのか察する。

「・・来ると思ってたぜ」

俺のそんな呟きを聞いて、月詠が不安げに眉をひそめたのが見えた。

どうやら、月詠達はある程度の事情を新八か誰かから聞いているようだ。

外から聞こえる雨の音は、さらに激しさを増していた。

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