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第24話 恋しい人 (銀時サイド) ページ24

「ハイ、銀さん。アーン」

「・・・・・・・」

俺は心身ともに疲れ果て、ぐったりしていた。

・・・コイツ等、何のために来たの?

内心そう思いながら、チラリと視線を動かす。

その先には、妙、九兵衛、月詠、そしてさっちゃんがいた。

一番近くにいるのはさっちゃんで、妙が作ったらしい粥(それが粥と呼べる物であるのなら)を

レンゲですくって俺に差し出している。

正直、コイツ等には看病のような家庭的な事は向いていないと思う。

その辺で武器をぶん回しているほうがよっぽどしっくりくる。

ふいに、Aの料理が恋しくなった。

会いてーなー・・・。

アイツ、今何してんのかなー・・・。

「ちょっと、銀さん?早く食べないと冷めちゃうわよ」

さっちゃんの持つレンゲから、暗黒物質がボタボタと零れ落ちる。

俺は気分が悪くなるのを感じながら、言った。

「いやー・・そう、実は・・お腹すいてないんだよね、うん。食べていいよ」

今の俺の顔は物凄く引きつっているはずだ。

月詠が憐れむような目で俺を見ている。

「そ・・それは仕方がないな。かと言って捨てるのも勿体無い。猿飛、ぬしが食べたらどうじゃ」

結局、月詠は俺に気を遣って助け船を出してくれた。

さすがに、怪我人に暗黒物質を食べさせるのは気が引けたんだろう。

やっぱり吉原一気の回る女は違う。

さっちゃんには悪いが、俺はとりあえずホッとして安堵のため息をついた。

妙も、粥を捨てようとしている訳ではないからか、俺が食べない事に何も言わなかった。

だが・・・。

「なっ・・何言ってるの、ツッキー!!病気の時にこそ食べる物は食べなきゃいけないのよ!!」

さっちゃんは自分の命が危険に晒された事に焦り始める。

いや、別に病気ではないんだけど。

「ホラ、銀さん!!早く食べて!!きっとAさんも見直してくれるわよ!!」

「Aはそんな単純じゃねー・・・・つーか離れろォォォ!!!」

俺は苛立ちに身を任せて、さっちゃんに裏拳を食らわせた。

さっちゃんは訳の分からない事を叫びながら吹っ飛んでいく。

一部始終を黙ってみていた九兵衛がため息をついた。

「二人とも、いい加減にしろ。誰も食べないのなら、僕がもらう」

九兵衛はそう言って、皿を手に取る。

目には、大きな覚悟が映し出されていた。

・・神だ。

瞬間的にそう思った。

第25話 粥 (銀時サイド)→←第23話 助けて



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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