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第22話 侵食 ページ22

同時刻。

鬼兵隊の船の一室から窓の外を見やりながら、武市が言った。

「・・・こっぴどくやられたものですね。

 紅桜を勝手に持ち出し、さらにそれほどの深手を負わされ逃げ帰ってくるとは」

広いだけで、家具のような物が何も置いてない部屋は、どこか寂しげに見える。

そして、今そこにいるのがたった三人だというのが、その場の雰囲気をさらに暗くしていた。

武市の背後には、斬られた腕に包帯を巻いた岡田と、

腰に手を当てて不機嫌そうに岡田を見下ろすまた子がいる。

また子の冷え切った視線をものともせずに、岡田は口を開いた。

「片手を落とされてもコイツを持ち帰ってきた勤勉さを評価してもらいたいもんだよ。

 コイツにもいい経験になったと思うんだがねェ」

岡田はそういいながら、無傷の左手で刀を持ち上げる。

また子は今度は腕を組んだ。

先ほどからまた子の動きは落ち着いていない。

イライラしているようだ。

やがて、我慢できないといった調子の声で言う。

「・・・アンタ、最近入った新入りのくせに、その身勝手ぶりは目に余るものがあるッス。

 真選組や見廻組に紅桜の存在を知られたらどうするつもりですか。

 アンタ晋助様の邪魔なんスよ」

「・・・それだけか?」

「は?」

妙な返答をした岡田を、また子はキッと睨み付けた。

「それだけ、とはどーいう意味ッスか。アンタ晋助様を何だと・・・」

「俺はてっきり、アンタが怒ってるのは、俺が桂や白夜叉を斬ったからだと思っていた」

「・・・・!!」

また子は思わず言葉を失う。

何かを言い返そうと思っても、喉につっかえて言葉が出ない。

そんなまた子に助け船を出すように、武市が言った。

「・・・そんな事があるはずないでしょう。さあ、また子さん。あの少女の所に行きますよ」

あの少女とは、もちろん神楽の事だ。

神楽は今、拷問部屋に入れられている。

また子は軽く舌打ちをしながら、最後にもう一度岡田を睨み付けた。

「・・アンタ、自分が強くなったとでも思ってんスか?アンタが桂に勝てたのは全て紅桜の・・」

彼女の言葉は途中で途切れる。

そして次の瞬間、信じられないことが起こった。

第23話 助けて→←第21話 危険な看病 (銀時サイド)



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時

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