第18話 ドッペルゲンガー (主人公サイド) ページ18
----本当は・・晋助を救って欲しいからでござる----
万斉さんに言われた言葉を思い出しながら、私は再び走っていた。
船首まであと少しだ。
刀の柄に手をかける。
とりあえず、鬼兵隊の変化は晋助の意向によるものだという事は確定した。
突然、また世界を壊そうと決めた晋助。
彼に一体どんな心境の変化があったのかは分からない。
・・・私はまた、晋助を元に戻せるだろうか。
ううん、戻さなければならない。
正さなければならない。
世界を変えたければ変えればいい。
でも、皆が居るこの世界を、晋助が居るこの世界を、松陽先生が生きたこの世界を・・・
大切なこの世界を壊す事は許さない。
忘れたとは言わせないよ、晋助。
世界は・・・一つじゃない。
友の過ちを正すのは友の仕事。
でも・・・・・。
私の中では、ある疑問が浮かんでいた。
晋助の変化は、あまりにも唐突すぎる。
きっかけと成り得る出来事が何もないのだ。
万斉さんにも分かっていないようだった。
だから、少なくとも鬼兵隊の仲間が殺されたという事ではないだろう。
それに、もしそうであったら小太郎を斬ったという話の説明がつかない。
仲間のためにまた過激派となった者が、仲間を斬るなんてことがあるだろうか。
ある訳がない。
ドッペルゲンガー。
自分とそっくりな姿をした存在。
ふいにそんな言葉が浮かんだ。
「・・・・まさかね」
浅慮もいいところだ。
随分と現実離れした事を考えてしまった。
それだけ、私は晋助は変わってなどいないと信じたいのだろうか。
そうこう考えている内に、私は船首にたどり着いた。
上の方から、攘夷志士達の姿を見降ろす。
その中に、目的の人物の姿を見つけた。
「神楽ちゃん!!」
神楽ちゃんは床に倒れて気絶していた。
手足からは血が流れている。
数人の攘夷志士たちが、彼女を持ち上げて運び始めた。
まずい!!
私は威嚇の意も込めて、装備していた銃を空に向かって放つ。
銃声によって、私の方に志士たちの視線が集中した。
私はそのまま彼等に銃口を向ける。
「その子を放し・・・」
私は最後まで言い切る事ができなかった。
突如背後に強い殺気を感じる。
私は振り返り様に刀を抜き放ち、私に向かって振り下ろされた何かを受け止めた。
手首に痺れが走る。
驚くほど強い力だ。
「うーん・・・さすがだね、A」
目の前の人物が口を開く。
この声は・・・。
私は刀を握る手に力を込めた。
「神威・・・」
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☆chelly☆(プロフ) - 私も土下ザムライはまってますwwwありがとうごさます!待ってますね!高杉も大好きなんで、ドキドキですよwww (2014年5月17日 0時) (レス) id: 276513cb97 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 身体が丈夫っていいですね。私なんて毎年インフルエンザにかかるんですよー! 本当、私の体どうなってるんでしょうねぇ?? ちなみに私は社会苦手です。 (2014年5月16日 12時) (レス) id: 32baeea52c (このIDを非表示/違反報告)
リア - ☆chelly☆さん» わああああ・・・ありがとうございます!!かなり興奮してます!!ついでに土下ザムライにハマってます!!更新早めにできるように頑張ります!!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - カエルzさん» 生きてますよ(一応)!!ご安心ください♪きっと彼なら戻ってきてくれる・・・・・・・・はずです!! (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
リア - わたがしさん» 大丈夫ですよー!!私身体だけは人一倍丈夫なので!!ここ数年風邪とか全くひいてないです!!心配してくださってありがとうございます!!感激なのです!!・・・・ちなみに、どうでもいい話ですけど、私理科苦手です。 (2014年5月15日 23時) (レス) id: 1a8797e650 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リア | 作成日時:2014年4月21日 20時