【文スト】ただ、みんなを支える為だけに (ページ8)

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「う………」

大きい音で目が覚めた。
目の前は霞んでて、何があるのかもわからない。

私の意識がある事に気づいたのか、ナオミちゃんが私の名前と潤くんの名前を呼ぶ。
よかった……潤くん、無事なのか…。

少しして目が見えるようになってから、潤くんの方を見ると、見覚えのある怪我をしていた。

私が何度も見た事のある、怪我の跡。

「芥川さん…ッ…！」

私はふらふらと、壁に寄りかかりながら立った。
ナオミちゃんには、「私は大丈夫。ナオミちゃんは今のうちに、助けを呼んで」と言って、危ない場所から遠ざけた。

今は芥川さんと…虎…？が戦ってる。

私には気づいてないみたいだ。

潤くんの怪我を治したいけど、治癒能力の輝く日の宮は、1番体力を消耗する。
さらに、相手の怪我も移るから、なおさら無理だ。

すると、芥川さんが虎に飛ばされた。

芥「がはっ…！」

「芥川さ……っ！！」

芥川さんに近づこうとした時、虎と目が合った。

そして、私に飛びかかってくる虎。
動けないから避けられるはずもなく、ギュッと目をつぶった。

そして、聞こえた芥川さんの声。

芥「A！！『羅生門・顎』」

芥川さんは、虎を真っ二つに引き裂いた。
でも、虎が雪のように消えていく。

雪…？

谷「『細雪』……！」

芥「！今裂いた虎は巨像か！では____」

虎は芥川さんの後ろにいた。

芥「『羅生門・叢』____！」

虎と芥川さんの攻撃が激突する____！

と思ったら、一人の人物に止められた。

太「はぁーいそこまでー」

芥「なッ…！」

太宰さんだ。

その能力により、虎が敦くんに変わる。
えっ…！敦くんだったの……！？

樋「貴方探偵社の____！何故ここに」

太「美人さんの行動が気になっちゃう質でね。こっそり聞かせてもらった」

太宰さんは最初から分かってたのか…。

じゃあ、言ってくれればよかったのに…。
そして、太宰さんは「二人も負ぶって帰るの厭だよ私」と、敦くんを起こす。

太「あっ！もちろんAちゃんは私がお姫様抱っこしてあげるけど！」

「はは、ありがとう、ございます…それより……もう、そろそろ、げん…か、い…」

そこで、私の意識が途切れた。

芥「A…！」

懐かしい声を聞いたのが最後だった。

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