【文スト】ただ、みんなを支える為だけに (ページ42)

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四十一 ~過去~ ページ42

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中「…」

「その後は、その拾ったお金を使って、服とか食べ物とかは調達できたので、何とか生きてこれました。まあ、少ししか拾えなかったから、ここに来る前の1週間くらいは何も食べてなくて…」

ポートマフィアに戻ってきた私達は、歩きながら話をする。
太宰さんと芥川さんも聞いていたらしい。

…思い出すと、真緒達と笑いあっていたことが、つい最近のように思えて、余計に悲しくなる。

中「笑い事じゃねェぞ。辛くねェのか」

「そりゃ辛いですよ。もう死のうかと思ったこともあります。でも、真緒達の分まで、って決めたから。でも、嫌なものは嫌で…今日、本当に死にたいって思いました。
でも、そんなタイミングで芥川さんに拾われた。

生きる意味を与えてくれた。

だから、芥川さんは、私の命の恩人です。芥川さんを、真緒達に守ってもらった分私が守るんです」

太「その心意気は大事だ。でも____その所為で君は人を殺せないんだろう？」

「…」

そうだ。

あんな目の前で、大切な人達を殺されたんだ。
トラウマと言ってもいいくらい、怖い。

他人が殺される所ならまだしも、大切な人達だ。

でも、他人だからといって、自分で他人を殺すことも難しい。

血だらけの床を走った記憶は消せない。

もう、人の死は見たくない。

太「…ここはポートマフィアだ。その【組合】って処はどんなかは知らないけど、ポートマフィアは同じような場所だよ。芥川くんに尽くすのはいい。

でも、ここに君自身があっているのか…向いているのかが大事なのだよ。

少なくとも、そんな悲惨な光景を見た君には到底無理だと、私は思うよ」

中「…俺もそう思う。悪りィけど、紫が向いているようには思えねェ」

「…っ」

わかってる。

そんなこと、この短時間で思い知らされた。
上司の上司の仕事を見て、ああ、私には無理だ。って確信した。

でも、

「でも…っ、芥川さんに尽くさないのは、嫌です。貰ったと言ってもいいこの命は、芥川さんの……いや、芥川さんはもちろん、私の勝手かもしれませんが、

仲間となった皆さんの為に、尽くします。守ります。死なせません」

芥「…紫は、ポートマフィアに必要な人材となります人材となります。それまでどうか、待ってくれませぬか？」

「芥川さん…」

太「それなら、私達を認めさせるんだね」

中「強くなれよ」

「っ、もちろんです」

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