【文スト】ただ、みんなを支える為だけに (ページ35)

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三十四 ~過去~ ページ35

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紫side

「異能って、複数持つ者もいるんですか…？」

芥「僕が見た中では居ない。それより…この能力は…物を操れるのか…？」

今、私達は空に浮いた葉の上で太宰さんを探している。

それにしても、私、二つも使えるなんて…。

芥「人は操れぬのか」

「多分…芥川さんを操ろうと念じても無理です。触れながらでもダメですね」

芥「物だけか…。…！あれは、太宰さん…」

芥川さんが太宰さんを見つけた。
どんな人なんだろう…。

あの包帯ぐるぐる巻きの人？

な訳ないか…そんな包帯無駄遣いする人なんていないよね！

芥「紫、太宰さんの処に……包帯を巻いている人の処に葉を下ろせ」

「分かりました。……えっ包帯の人なんですか！？」

すみません太宰さん。
非常識な人だと馬鹿にしてしまいました。

私は葉を下に下ろした。

そして、その葉から私達も降りる。
もう葉は邪魔だし、元に戻そうかな。

太「おや？芥川くんじゃないか。それと…紫、ちゃんだね？私は太宰治だ。よろしくね」

「は、はい！よろしくお願いします！何故私の事を…」

太「首領から既に連絡が入ってある。それより…君、美人だ「おい太宰！！手前ェ！」…何だい中也…邪魔しないでくれ給え」

中「勝手に仕事放棄するんじゃねェ！何で手前はそうなんだよ…！お、芥川…と…」

太宰さんの他に、もう1人やってきた。
自己紹介しなきゃ…。

「紫Aです！ポートマフィアへ入らせていただきました！芥川さんの部下です！」

中「紫か…俺は中原中也だ。よろしくな」

芥「仕事は終わってしまったのですか…？」

太「ああ。今回は簡単だったよ」

中「手前何もしてねェじゃねェか！」

太「中也、1人でやってくれてありがとう！その小さい身体で大変だっただろうに…」

中「手前…！ぶっ殺すぞ…」

太「はっはっは。異能なんて無駄だよ？中也」

相当中が悪いのだろうか、長々と喧嘩をしている。

中原さんが異能を発動しようとした時、少し身体が重くなった。
でも、太宰さんが中原さんの身体に触れると、それはおさまった。

何の能力だろう…？

男「っ、見つけたぞ貴様ら！」

太「おや、1人残ってるじゃないか」

中「ちっ…面倒くせェな…『汚れちまつた悲しみに』」

男「ぐあっ…！！」

「っ…！」

目の前で人が潰れた。
思わず目を逸らした。

これから、こんな事をたくさん経験するんだ。

しっかりしないと…。

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