二十七 ページ28
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「ここですね」
芥川さんの処に着いた。
樋口さんは何か複雑な顔してる。
私は、中に入って、芥川さんのそばの椅子に樋口さんを座らせ、私はその隣に立った。
しばらく、沈黙が続いた。
それを破ったのは私。
「お互い、苦労しますね」
樋「え…」
「私も何度も聞かれた事あるんです」
「この仕事があってるのかって」と、私は言う。
樋口さんは、目を見開いた。
「私は、まだ中学生くらいの年頃で、芥川さんに拾われました。芥川さんは私の一つ上だから、その時の芥川さんもまだ学生の年頃ですね」
樋「貴方、今19歳なんですか…!?中学生でマフィアに…!?」
「びっくりしますよね。でも、この人を殺すような場所が、私の唯一の居場所でした。
でも、当然私には殺しなんて無理で、芥川さんに任せてばかりで…入ってすぐに首領や太宰さん、あと…中也幹部と紅葉さん等に
お前はこの仕事は向いてないと言われたんです」
あの時は苦しかったな…。
まだ知らない人ばかりで、その知らない人から急にこの仕事は向いてないって言われるし…。
酷いよね(笑)
まあそんはこと自覚してたけど、私には居場所がないから、此処にいるしかなかった。
笑って「そうですよね!」何て言ってたけど、部屋では泣いてたな…。
「でも、芥川さんは、優しくしてくれました。だから、もう辞めたいとか、抜けようとか思っても、此処にいたんです」
樋「…では何故抜けたのですか?」
「私もこの歳になって、いろいろと分かってきたので、此処にいても意味ないかなって思って抜けました。その時はもう、みなさんとは仲良くて辛かったですけどね。
芥川さんは前々から私の雰囲気で読み取ってたのか、外は怖いぞ、とか離れるな、とか遠回しにいろいろと言ってきました。この歳の私にですよ?少し嬉しかったですけど…」
樋口さんは、「そんなことが…」と呟く。
それより、そろそろ帰らないと国木田さんに怒られる。
「…私、そろそろ帰らないと。樋口さん、私はここのみんなが危険な状態にあったら、すぐに飛んでいきます。敵でも、みなさんが大事なので。生意気かもしれませんが、安心してください!」
樋「!…はい、Aさん」
名前で呼んでくれた…!
嬉しくて、パァッと笑顔になると、樋口さんは少し動揺して、「貴方…案外可愛ですね」と言ってきた。
樋口さんの方が美人で可愛いよ…。
私……年下に見られてる。
年下だけど。
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栗ようかん(プロフ) - 悠寿さん» わ、すみません!指摘ありがとうございます!\(°Д° )// (2018年2月13日 0時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 1話目の与謝野さん明子じゃなくて晶子ですよ! (2018年2月11日 19時) (レス) id: 9887905400 (このIDを非表示/違反報告)
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