【文スト】ただ、みんなを支える為だけに (ページ26)

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二十五ページ26

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「樋口さんどこかな…」

私は、中也幹部の部屋を出た後、樋口さんを探しに行った。
状況を聞きたいからね。

まだ首領の部屋にいるのかな？

「失礼します」

森「エリスちゃ～ん」

エ「リンタロウうるさい」

私は、首領の部屋に着くと、ノックをして入った。

するとそこには、樋口さんはおらず、エリスお嬢様とヘラヘラしてる首領だけだった。

エ「あっ！A！」

森「ん？おや、紫くんじゃないか」

「ご無沙汰してます。何の許可もなく侵入してすみません」

エ「A！会いたかったのよ！一緒に話してくれる人がいなくなって…」

「す、すみませんエリスお嬢様…！」

エ「お嬢様なんて付けないでって言ったじゃない！」

「それは無理ですよ…」と、駆け寄ってきたエリスお嬢様に言う私。
ポートマフィアにいるときは、エリスお嬢様とは仲良くさせていただいた。

一緒に遊んでるたびに首領がうるさかったけど…。

森「結構だよ。芥川くんを運んでくれたんだってね？逆に感謝するべきだよ」

「それで、芥川さんは…」

森「此の儘意識が戻らぬかもしれないね」

「っ！」

森「暴力を返されることは支出であり負債だよ」

「っ、芥川さんは任務には一所懸命で、成果を残して___」

森「芥川くんは優秀だ。きみも優秀だったのだが…人を殺めずみんなの護衛…

素晴らしいことをしていたよ」

昔から思う。
この人の言葉は本当なのか嘘なのかわからない。

森「さっき樋口くんに言ったんだ。君は自分にこの仕事が向いているのかと思ったことは有るか、とね___君は思ったことが有るかい？」

「っ！」

森「___まあ、向いていなかったから居なくなったんだろうけどね」

エ「ちょっと、Aを責めないで！」

「っ、ありがとうございます。エリスお嬢様」

エリスお嬢様と同じ目線になって、頭を撫でながらそう言った。
向いてなかったからってのもあるけど、だから抜けたんじゃない。

太宰さんには光がみたかったなんてかっこいいこと言った。

でも本当は、中也幹部に言ったように、足手まといだから、【あの事】に怯えていたから、という臆病な理由だ。

芥川さんは段々上にのぼっていくのに、私は殺しの任務をこなせずに、芥川さんに頼ってばっかだったから。

"君は自分にこの仕事が向いていると思ったことは有るかね"

だから、そんなこと言われたらたまったもんじゃない…っ。
私は樋口さんのもとに駆け出した。

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