十五 ページ16
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芥川side
芥「中也さん、鏡花がまた誰かを捕らえたようです」
中「じゃあ俺はそっち見てくっから、太宰の方はよろしくな」
そう言って、中也さんは鏡花が捕らえた者の方へ向かっていった。
僕は太宰さんの居る所へ向かう。
ドアを開けると、呑気に歌っている太宰さん。
僕は羅生門で太宰さんの喉に向けて攻撃した。
太「…ああ、君いたの」
芥「此処に繋がれた者が如何なる末路を辿るか____知らぬ貴方では無い筈だが」
太「懐かしいねぇ。君が新人の頃を思い出すよ」
芥「貴方の罪は重い。突然の任務放棄、そして失踪。剰え今度は敵としてマフィアに楯突く。
とても____」
僕はそこで一度止まった。
……Aも…突然いなくなった。
そして、現に太宰さんと同じく探偵社に所属している。
僕が人虎に飛ばされた時、心配してこっちに寄ってきたA。
僕は無意識に名前を呼んで、Aに飛びつく人虎を切った。
……だが、既に僕らの敵だ。
もう関係無い。
芥「とても元幹部の所業とは思えぬ」
太「そして、君の元上司…【元部下】の所業とは?」
僕は太宰さんに向かって拳を振り上げた。
だが、太宰さんの次の言葉で、僕の拳は止まった。
太「…そろそろAちゃんも捕まってるね」
芥「!」
…どういう事だ。
Aが捕まった?
捕まえたとしたら…鏡花…否、僕…。
…っもうAは敵だ。
捕まえて当然、だ。
太「わぁ〜君も苦しそうな顔するねぇ。Aちゃんの事がそれだけ大事なんだろうね。今も」
芥「違う!もう敵だ!貴方同様、連れ戻せとの命令は出ていても、敵だ…!」
太「本当は戻ってきてほしいくせに…まあAちゃんは渡さないけど。探偵社の大事な一員だ。
素直で明るくて少し鈍いとこもあるけど、能力はみんなの為だけに使ってる。
人を殺した事の無いあの綺麗な手を、ポートマフィアなんかで汚させないよ」
…然り。
いつもAは僕や中原さんの後ろに立って、あの異能力で身体能力をあげ、傷を治し、攻撃を受けそうになったら、その華奢な身体で僕らの前に立ち、体力消耗が激しいのに、盾になっていた。
一度も過ちを犯してないその手は、僕も少し羨ましかった。
太「それに比べて君のぽんこつな能力。私の新しい部下達は、君なんかよりよっぽど優秀だよ」
僕は、認めてもらえない悔しさと、Aはもう太宰さんの部下になったという悔しさを抑えるために、拳を振り上げた。
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栗ようかん(プロフ) - 悠寿さん» わ、すみません!指摘ありがとうございます!\(°Д° )// (2018年2月13日 0時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 1話目の与謝野さん明子じゃなくて晶子ですよ! (2018年2月11日 19時) (レス) id: 9887905400 (このIDを非表示/違反報告)
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