十四 ページ15
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「……っ!」
あれ…ここ、ポートマフィア…!?
…夜叉白雪に襲われた後、意識なくなったのか。
目を覚ませばポートマフィアの中にいて、手を頭上で固定されていた。
動こうにも動けないな…。
諦めた私は、脱力した。
でも、次の瞬間体に力が入る事になった。
?「…よォ、A」
「っ!ちゅ……中原さん…!」
中「ったく……何捕まってんだよ手前」
顔を見なくとも中原さんだって声だけで分かった。
この人にはいろいろとお世話になった。
体術を教えてもらったり、厳しかったけど終わったら心配してくれて、優しくしてくれた。
それにしても………
「相変わらず小さいですね」
中「ぶっ殺すぞ手前」
「とか言って優しくしてくれる中原さんじゃないですか。そーゆーとこ、好きですよ」
中「…!」
「でもこのブーツヒールだもんなぁ」と呟く私。
目の前で顔を赤くする中原さんになど気づかなかった。
中「ほんっと…手前は昔から……」
「ブーツ脱いでみました!おぉ…!ちょっと見上げてしまう…」
中「……ちっせえな」
「なっ…!たったちょっとの差です!その変な帽子のせいです!」
中「変って手前…!」
「あっ!今度一緒に帽子買いましょう!ちゃんとしたの買ってあげます!」
中「…一緒に、か……それよりちゃんとしたのってどーゆー意味だコラ」
中原さんといると、どーしても緊張感抜ける。
一応捕まってるっていうのはわかってるんだけど、なんか懐かしいんだよなあ…。
此処を抜けるとき、それを言ったのは中原さんだけだ。
それくらい信頼してた。
抜けたくなかったよ。本当は。
でも、あの事があったから、私はいられなくなった。
中「…抜けたくなかったってか?」
「えっ…」
中「…手前は人を殺さなかったよな。能力で俺らをサポートするだけで……
手前が人を殺すなんて似合わねェ。俺の心と手は汚れちまったが、
手前はその手、汚れさせんなよ」
やっぱりこの人優しいや。
ずっと見ててくれたんだ。
「中原さんの心は綺麗ですよ」と、言おうとしたけど、鎖を破壊した音にかき消された。
中「さっさと行け」
「っありがとうございます。中原さん」
中「…俺の事は、前みてぇに名前で呼んでくれ」
「っ…!はいっ、中也幹部」
深く被せられた中也幹部の帽子を上から押さえ、さらに深く被ってから、
最後に中也幹部を振り返って、笑顔を見せて、走った。
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栗ようかん(プロフ) - 悠寿さん» わ、すみません!指摘ありがとうございます!\(°Д° )// (2018年2月13日 0時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 1話目の与謝野さん明子じゃなくて晶子ですよ! (2018年2月11日 19時) (レス) id: 9887905400 (このIDを非表示/違反報告)
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