第一章 ページ10
次は英語の授業やから、奈央はご機嫌になっている。
いつもの元気さが顔に表れ、ポニーテールは尻尾の様に揺れる。
「あー…数学の次は英語かぁ…あそこ、大文字にしてへんかったからなぁ」
わたしが机に伏せていると、上から霜月くんの笑い声が聞こえた。
「そんなん言うて!水無月さんさっきの数学何点?」
「…87点。思ったよりは良かった」
わたしの点数を聞いた霜月くんはまじかー。とか、嘘やんとか言い出した。
「そう言う霜月くんは?」
「おれはなぁ…75や」
「え、普通にいいやん!」
「でも、水無月さんには負けてるやんかぁ!」
少し膨れた彼は可愛くって思わずいじりたくなったけど、そういうことは彼のほうが早い。
「水無月さんの悔しそうな顔とか見てみたいしな!」
なんて笑ってくる。
ムカつくけど、わたしもいろんな彼の顔が見たいから別にいいかなぁなんて思ったりもするねん。
「次の英語、絶対に負けへん!」
「おれも自信ないけど…負けたくないな!」
「ぼくは赤点回避するわ!」
「あたしは100点欲しいなぁ…!」
そういった時に、チャイムが鳴って、タイミングの良さにみんなで笑った。
暫くすると、教室のドアが開けられ、先生が来た。
「はい。あなた達!仲良いのはいいけど、席についてー」
先生がそういうとみんなバラバラと席に着いて行く。
わたしはなぜか、テスト返しがとても楽しみになっていた。
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作者名:ラスカル | 作成日時:2015年10月23日 18時