第一章 ページ7
一時間目から数学とか、疲れるなぁ。とか霜月くんまた寝てる。なんて思ってたら、知らん間に終わってた。
「まゆ!こっち来て!」
お願い。と手を合わせながらわたしを見つめて来る文月くんはなんか犬っぽい。
耳が生えて、尻尾を振っている文月くんが、一瞬思いついたけど、無かった事にする。
「わかった!ちょっと待ってな」
ファイルからプリントを取り出して、文月くんの席に向かう。
その途中、霜月くんと目が合ったような気がしたけど、多分気のせい。
わたしが彼を意識し過ぎてそう思ってるだけやもん。
夢をみすぎると、自分が辛くなるだけって頭ではわかってるつもりやねんけど、やっぱり難しいな。
いいように思っちゃったり、悪いように思っちゃったりして、勝手に喜んで落ち込んで、彼の行動、言葉に一喜一憂しちゃうもんなぁ。
恋は盲目なんて言うけど、正にその通り。
恋してると周りなんか見えへんくなる。
一日中彼の事で頭がいっぱいになって、彼の事になると、冷静さもなくなったりするしな。
彼が他の女の子と仲良くしたら、彼女でもないのに嫉妬して、その子が羨ましくって堪らんくなる。
男子でもそう。
彼と仲良くしたり、楽しそうに話したりしてたらむっちゃ羨ましい。変わって欲しいって嫉妬しする。
霜月くんの容姿は別に悪くない。でも、良くもなくて、普通くらい。
だから容姿でモテることはないけど、中身がいいもん。
優しすぎるくらい優しくて、一緒にいて楽しい事ばっかやし、いいところがありすぎるんやもん。
わたしから見たら、モテそうでこわい。
いっそのこと、モテへんかったらいいのに…なんて。
そう思ってるわたしって、やっぱり最低やん。
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作者名:ラスカル | 作成日時:2015年10月23日 18時