2話 ページ4
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「初めまして。私は優利井A。多分…年齢は同じくらい。二人と同じ職場で働いているの」
今さっき国木田の言葉に浮かべた笑みとは違う、模範的な笑みを浮かべる
そして硬くなりすぎず、かといって彼に踏み込みすぎることがないように慎重に自己紹介をする
「中島敦…です」
彼は緊張しているようで、少し小声になりながら自己紹介をした
緊張しているのなら、無理に話しかけるのも良くないのかも、なんてことを考えていると、太宰が口を挟んだ
「そうだ君。良いことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう」
「へ？」
後ろで「聞けよ！」と怒っている国木田には心の中で手を合わせておいた
慰めの言葉も今の彼には嫌味に聞こえてしまうだろうから
「ついて来たまえ。敦君、何が食べたい？」
彼が食べた金は貴方が払うものではないのに…なんてことを考えていると、敦が「茶漬けが食べたいです」と言った
餓死寸前の人間が茶漬け…か
この状況においては珍しい回答に太宰が大声で笑った
「はっはっは！餓死寸前の少年が茶漬けを所望か！良いよ。国木田君に三十杯くらい奢らせよう」
ニコニコしながら国木田に奢らせようとしているところ、本当に人格が破綻したような男だな
なんて彼女は失礼なことを考える
国木田は「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰！」と怒っていた
「ああ、私の名前だよ」
なんて、カッコつけ、外套を靡かせながら自分の名前を言う彼には呆れながら私達は近くのお店に足を運んだ
いつまで私は非番なのにここにいるんだろう、なんて考えながら
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優雅にお茶を嗜む太宰
予定表を見て顔を顰める国木田
茶漬けを精一杯口に入れる敦
そして、それを見ながら茶漬け一杯にどのくらいの秒数をかけているのかを隣で見ている彼女がそこにはいた
「Aちゃんも、せっかくだから何か頼めば良いのに」
「流石に私まで頂くのは申し訳ないです」
「これとかどう？」なんて言いながら私にメニュー表を見せる太宰
女子ならば大抵の人が好きそうな甘味を彼女は拒否した
「明らかに高そうなものばかり見せてますよね…それに、今はお腹も空いていないので」
「ならお茶でも頼めば？」
「あまり喉も渇いていないので」
国木田に負担をかけさせないため、が一番なのだが
そんなことを考えていると、国木田が太宰に声をかけた
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