7話 緊急職員会議 ページ8
土井side
「皆の者、よくぞ集まってくれた。今回はあの紫苑そっくりの天女についてだ。土井先生、話を。」
「はい。現在分かっていることは、彼女が天女であること、それと紫苑とそっくりだけど紫苑では無いこと。それと、自分の中で一つの可能性があります。」
「ほう」
「皆さん、生まれ変わりってご存知ですか?ある書物で読んだんですけど亡くなったものの魂が長年の時を経て新たな人間として生まれること……。自分でも馬鹿らしい話だとは思うんですがどうも紫苑と無関係とは思えなくて。」
「見た目が似ているからか?」
「いえ、それだけじゃありません。彼女、この学園に来たばかりなのにたった一人で医務室から門へ行けたんですよ。途中で迷ったりすることなく。この学園内を理解してる証拠です。それにあの異様な見た目のそっくり具合………先程言った生まれ変わりか……もしくは本当に間者か……ぐらいしか有り得ないと思うんです。」
「なるほど、それは確かに言えてるな。」
「かなり馬鹿らしい話ですけどね……。」
「暫くは様子を見るとしよう。なんにせよ、紫苑と関係のある者なら放ってはおけん。帰る場所も無いみたいだし暫くは学園におくとしよう。………伊作!」
「はい。」
「なっ……A。」
伊作の後ろから顔を覗かせるAの姿があった。
「A、入りなさい。」
「はい。」
「事前に呼んでおいた。」
「いつの間に……。」
「AAです!お世話になります!」
「うむ。では、お主には学園の事務員を務めてもらおう。」
「事務員……。」
「事務員と言っても吉野先生と小松田くんの助手のようなものじゃ。それと、Aいくつか聞いても良いか?」
「は、はい。」
「この簪の中から好きな物を一つ選びなさい」
「え、えっと……これ、ですかね。」
「………では、この着物の中から好きな物を」
「これ」
「この、口紅の中から」
「これ」
「ふむ……分かった。」
「?」
「土井先生、どうやら間違いないようじゃ。」
「はい。」
「え、何がですか?」
「何でもない。」
「これにて、職員会議は終了じゃ。」
「A、君の部屋に案内するよ。ついてきて。」
「はい。」
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時