3話 前世と紫苑 後編 ページ4
中在家がきり丸を庇うように抱きしめる紫苑の背中を蹴ったのだ。
(どうしよう……ヤバい。この状況で武器を出されたらもっとヤバいけど流石に本気で殺 したらこの学園から消されることを分かってるんだ……。恐らく、上級生がその事実を把握してる限り私が本気で殺 されることは無い。)
「はぁ、姫花もう飽きちゃった。もうやめていいよぉ〜」
「この程度で許してあげるなんてさすが天女様だ」
姫花が言うと同時に中在家先輩達も蹴るのをやめ天女のもとへ戻ろうとする。
「き、きり、丸…だ、いじょうぶ……?」
「し、紫苑先輩……!血が.………。」
「私は、だい、じょうぶ…だから。」
「ふふ、なーんてね(小声)みんな、今よ。遠慮なくやっちゃって」
姫花の掛け声と同時にものすごい早さでみんなが武器を構える。
蹴られて出血し動きが鈍くなっていた私は反応が遅くなってしまった
「しまっ……」
「っ!」
「……!き、きり丸!!」
みんなが投げた武器の中の一つがきり丸の腹に刺さった
「がっ……!」
「きり丸……きり丸!!」
「せ、先輩……ごめんなさ……ぃ」
この時私の中にある一つの糸が切れた
「こんな、酷い……。」
「何?忍者の世界では騙し討ちなんて当たり前でしょ?」
「人を騙すのは仲間を救出する時や任務を遂行する為に使うものであってただ単に自分が気に食わない奴を消す為のものじゃない!!」
「うっさ、何熱くなっちゃってんの?あんたみたいなやつ正直生きてるだけで 迷惑なのよね ……はぁ、うっ、ううっ、みんな聞いて!紫苑ちゃん酷いんだよ!!私は酷いこと言われたからつい怒っちゃっただけなのに姫花だけが悪いみたいに責めて……。」
上級生のみんなが再び武器を構えた
「……上等だよ、クソ虫。」
遠くで見ていた乱太郎を呼び。きり丸を医務室へ連れていかせる。
そして、きり丸達が行ったのを確認し私も武器を構える。
「私に対してなら何をしても許せた。でも下級生に手を出したのは許せない。あんな、小さい子供達をあんた達の薄汚い欲望の為に潰すなんて論外よ。」
「馬鹿じゃないの。この人数差で勝てるとでも思ってんの?今のうちに土下座して私の靴でも舐めたら?あ、でもあんたの舌とか汚そうねやっぱここで 死 んで。」
「はっ、どっちも絶対ないから安心して」
そこからの記憶はもう無い。
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時