2話 前世と紫苑 中編 ページ3
すると、六年の立花仙蔵先輩が私の胸ぐらを掴んできた。
「おい、お前本当いい加減にしろよ?昨日の苦無の件と言い余程タヒにたいみたいだな?」
「待ってください!昨日の苦無の件だって本当に私じゃないですし!だいたいこんな大人数で廊下歩いてるんですから肩ぐらいぶつかることあるでしょう!?」
「は、なんだそれ?天女様が悪いって言いたいのか」
「何もそこまで言ってな……いや、昨日の件に関しては本当に天女様が…がっ!!ぁ……。」
言葉の途中で立花先輩に片手で首を締められる。
「おい、その辺にしとけ仙蔵。そんな豚一匹殺 してたって何の得もねぇよ。」
「あぁ、そうだな。」
すると、あっという間に私への興味が失せたかのようにみんな天女へと視線を戻し去っていく。
全員が去ったのを確認して一息ついた
「はぁ……。」
「大丈夫か?」
「土井先生」
「すまない。助けてやれなくて。」
「いえ、しょうがないですよ。学園長先生の言う通りまだ天女の妖術を詳しく把握できていない状態で行動を起こすのは危険です。私が少しの間我慢すればいいんですから」
「すまない。必ず解決策を見つける。それまでの辛抱だ。」
それだけ言い土井先生は去っていった。
私と話していたら天女に目を付けられる。仕方の無いことだ……。
そう、全部しょうがない、仕方の無いことなんだ。
耐えよう。いつかきっと、先生達が何とかしてくれてきっと上級生も元に戻る。
そう信じることしかできない。
ある日の放課後
「はぁ……。」
「大丈夫か?乱太郎。」
「最近委員会が辛くて……。」
「上級生の皆さんはみんな天女様についてるからね……。そのせいで二三年生の先輩の空気も重いし……。」
「クソ、あの女のせいでなんでオレたちまでこんな目にあわなくちゃいけないんだよ……。あいつさえいなければ……。」
「………ぁ。」
「??」
「な、中在家、先輩………。」
「!!」
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「やめて!下級生には手を出さないで!!お願い!」
「邪魔だぞ。紫苑。」
「……っ。」
中在家が片足を軽く上げるとそれに気付き先程まで六年生を見上げていた顔をきり丸の方に戻す
「うっ……。」
「せ、せんぱ……ぃ。」
「大丈夫、大丈夫だからね……。」
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 夢主ちゃん可愛い♡ 続き待ってます (2022年4月12日 8時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴松 | 作成日時:2022年2月14日 0時