紅い花束を君に…【オリジナル】

帰宅 ページ12

悠side

今日は久しぶりの休日だった。

『…おはよう、今日は急がなくていいの？』

…やっぱり、朝起きるとリビングで君がいるのは“懐かしくも寂しくも”感じた。

今日は土曜日、“彼女の”好きな番組があったはずだ。

そう思ってテレビをつけて見させると君はとても食いついて見ていた。

“僕”はとても幸せに感じていた。

この時間が続けばいいのに、と

でも現実は上手くいかなくて、ハゲ課長に呼び出されてしまった。

なにやら社内で新人が書類を大量ミスしてしまい、その書類が今日提出ということを隠してしまっていたらしい。

俺は心底嫌だった、この時間を逃すことが。

でも、

«仕事熱心なのはいいことよ？»

そう言われたことがある俺は休む訳にはいかなかった。

それなのに俺はつくづく運がなかった。

仕事を3時間ほどで終わらし、帰ってきた俺にとっては不安の煽りでしかなかった。

リビングに彼女がいないのだ。

先日、彼女が

『覚悟しなさい、影山』

そう言っていた理由は嫌でもわかっているつもりだった。

回避させようと物も隠した。

でも、１つだけ隠せなかった。
それを、見つけられてしまった。

『私も証拠………』

そう呟く彼女の後ろ姿は、あの日の“僕”を見ているようで………



“僕”は思わず彼女に……………








＿＿＿＿＿＿暗転。

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