幹部様がやって来た【文スト】 (ページ7)

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第六話ページ7

「だ、ざい…さん？」

彼はこくりと頷いてみせた。
この様子を見る限り本当に太宰さん…なのか。

あ、良かったぁ人違いじゃなくて。

もし間違えてたらすごく恥ずか…し…

って…

いやいや！？何を安心しているんだ私は！

ポートマフィアの幹部様が、武装探偵社に足を踏み入れているんだぞ…

一大事だ！！
裏切り者の私を殺しに来たのか、若しくは探偵社を潰しに…！

太宰さんに銃を向ける日が来るとは思わなかった。
私は彼が襲撃しに来たのだと判断し、即座に銃を取り出した。

一方、銃口を向けられた当の本人は両手を上げ平然としていて、

「君に銃を向けられる日が来るとは思わなかったなぁ」

と、この様に相変わらずの余裕綽々。

「…奇遇ですね。私も同じことを考えていましたよ。」

軽く話を交えるも、私は銃を下ろす気は毛頭ない。

だけど、いつの間にか銃を固く握りしめている手が震えていて…

私はハッとした。

あ、あれ…？何でだろう…。
今までこんなこと無かったのに、なんで…

太宰さんを撃つのが怖い？
別に殺すわけじゃない。ただ怯ませるだけだ、A。
そうだよ、落ち着け…。

それでも震えは増すばかりで、心の隅で太宰さんを傷つけたくない自分がいることを

私は、気づけなかった。

きゅっと目をつぶり、私は力いっぱい引き金を引いた。