奏でさせる、あんさんぶるの輝きを【七種茨】 (ページ36)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:11,883 hit

276話ページ36

次の日

P機関の部屋に向かうとあんずが心配そうに私に話しかけてくれた。神崎という名前を聞かれた以上あのことを話すべきなんだろうか

「ねぇAちゃん、無理しないでね。私が言えることじゃないけど…親友だから話したいことは全部言ってね、なんでも受け止めるから」

『ありがとう、あんず』

「うん」

あんずは私の両手をとってニコって笑ってくれた、茨や兄さんたちとは違う私を助けてくれるこの手はかけがえのないものだ

「んん！！2人とも、平和なところ悪いのですが少々お話よろしいですか」

『いたの』

「気づいててよく言えますね」

誰かがきたのは気づいていたし、まぁ気配からして分かってはいた。

『女子会中で〜す』

私はそう言いながらあんずをハグをした。慌ててはいたけどあんずは少し嬉しそうに笑いながら返してくれた、あんずは甘えられるのが好きだからね。

横で茨がイライラしてるけどざまぁみろ！w

「そうされるのは自由ですが、昨日の件であんずさんにもお話が」

「何も見てないよ私は…。何も言わない、2人が話してくれるまで聞かないよ…それが今私ができるAちゃんへの行動だから」

「そ、そうですか

(月永氏や斎宮氏にも同じことを言われたし、まったくAは杏さんに負けず劣らずのたぶらかし上手ですよね)」

きっとレオや宗さんも茨の反応を見る限り言ってないんだろうな。私は本当に幸せ者だよ、恵まれた環境にいるんだなと感じちゃう

けどそんなところで立ち止まるのは嫌だな

『ねぇ茨、久遠さんと連絡って取れる？』

私がそう言うとその場が一瞬で静かになった

ー茨sideー

これからどうするべきか、久遠家はそう簡単に丸み込めないし殿下の力を借りるわけにもいかない。最悪天祥院家にも伝わるのは面倒だ

神崎の名前を聞いた人たちに口止めを話しにいって全員が何もしないと分かった以上作戦を練りやすくなった。

それなのに

『ねぇ茨、久遠さんと連絡って取れる？』

なんであなたはまた状況をややこしくするんですか！

「本気ですか」