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玉森先輩と新堂さんの部屋を出て、藤ヶ谷さんと静かな夜道を歩いた。
「すげー空気だったな」
「・・そうかな」
「でも、新堂の気持ちもちょっとわかる」
「え？」
「自分が知らない恋人の過去って、やっぱり気にならない？それを知ってる人が目の前にいるのって、けっこう妬ける」
「・・藤ヶ谷さん」
藤ヶ谷さんは、真剣な表情をクシャって崩して「そんな深刻な顔すんなよ」って笑った。
「A」
「はい」
「三つ編みだったの？高校生の頃」
「・・校則で決まってて。肩につくくらいの長さの人は、髪を結ぶって」
「誰も守ってなさそうだな、Aの高校の人たち」
「私、おしゃれの仕方とか、全然わからなかったから、すごく浮いてました。藤ヶ谷さんが私と高校生の頃出会ってたら、絶対好きにならなかったと思います」
「勝手に決めつけんなよ。
俺だって三つ編みのAを好きになってたかもしんないじゃん・・・・・・玉みたいに」
ざわざわと、風が木の葉を揺らす。
ざわざわと、私の心が激しく動揺している。
「・・そんなわけないじゃないですか。玉森さんにはいつも彼女がいたし、私なんて眼中にもなかったと思います」
藤ヶ谷さんが私の頬に触れて、切なそうな目で私を見つめる。
「下手だね・・・作り笑い」
消えない。
消せない。
三つ編みの私が、玉森先輩を想っている残像。
「藤ヶ谷さ・・・・
感情をぶつけるみたいに、藤ヶ谷さんが激しく私に唇を押し付ける。
息もできないくらい矢継ぎ早なキスで苦しいのは、呼吸じゃなくて罪悪感でいっぱいの心。
「・・・・A」
「・・ん？」
「今日、俺の部屋に泊まって？」
「・・・え？」
「泊まってよ。頼むから」
それは、藤ヶ谷さんからの最後の懇願。
応えなければ、私たちはきっと終わってしまう。
「・・・はい」
頷く私に、安堵の表情をした藤ヶ谷さんの顔は、とても、とても、寂しそうだった。
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mhnon39(プロフ) - そうだったんですね！分かりました！何度もお話読んでます＾＾他のお話が読めるまでお返事お待ちしております！頑張ってください＾＾ (2020年6月10日 20時) (
レス) id: f1d97944f4 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 海さん» 悲しい展開が続いていますが、最後までお付き合いくだされば嬉しいです(*^^*)メッセージありがとうございます。１日に数件しか返信できておらず、パスワードをお送りするのは遅くなると思います(><)申し訳ありませんm(._.)m (2020年6月10日 17時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - とっっても切なくて胸が苦しいです！マキさんの書く作品本当に面白くてだいすきです＾＾メッセージの方も送らせていただいております＾＾これからも更新楽しみにしています。 (2020年6月9日 20時) (レス) id: f1d97944f4 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 玲さん» 新堂さんヤバいですよね！女子の嫌なところをグツグツ煮詰めて出来上がったような仕上がり笑！3人を可哀想にしたててるのは私なんですが、可哀想( ；∀；)って思いながらかいてます。結末が見えなくてある意味泣けてきます笑！ (2020年6月5日 22時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - なんか、、新堂さん以外の3人が3人共良い子ですね。そのおかげでなのか新堂さんの悪役さが際立っていてなんとも良いです。現実に居たらぶっ飛ばしてるかもしれませんが（笑）3人は3様の切なさがありますね。誰も悪くない。悪くないから苦しい。こういう展開大好き！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
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