35歳、初恋。＜SN＞ (ページ8)

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「…いいから和。
ベットで大人しく寝てろ。
またぶっ倒れるよ？」

「キャッ…！
じゅ、じゅんくん、お客さんいる…」

「歩けないだろ？」

松本さんが、二宮をお姫様抱っこして歩きだす。

「二宮！担任の櫻井です！！ちょっと話できないかな！？」

「和は気にしなくていい。
ハァ…もう和に用はないですよね？
…いい加減、」

明らかに松本さんから怒りのオーラが漂いだしたその時、

「…チッ。
和、ちょっとごめん。」

松本さんの携帯から流れ出した着信音。
画面を見て一気に険しい顔つきに変わる。

それでも、すごく優しく二宮くんをソファにおろすと、奥の部屋へと消えていった。

え、これって、チャンスだよね？

「二宮…？」

「…ごめんなさい。」

「いや、二宮が謝ることないよ。
それより二宮、体調は…」

「…あんまり話すと潤くんに怒られちゃうから…」

二宮は、ボソボソとそれだけ話すと、話しかけても何も言わなくなった。

「「………」」

気まずい、沈黙…
俺、初日から何してんだろ。

二宮の表情を伺おうにも、目にかかる長い前髪とメガネでよく見えない。
ていうかほ…っそいな…足、白……

大きめな白シャツ一枚に、裸足。

結構短くて、太ももが見えていた。
思わずジッと見てしまう。

柔らかそう…

ツカツカと、奥の部屋から足音が聞こえてくる。

…っ！何考えてんだ、俺…

その瞬間、二宮は何とか、という感じでずりずりと俺から距離をとった。