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第4話『初めての気持ち』 ページ17

「この辺?」



「うん。あの、グレーのマンション」




北山くんは本当に、私を家まで送ってくれた。




「あれ?」



北山くんが急に立ち止まるから、私は彼の背中にぶつかりそうになる。




「どうしたの?」




「あれさ・・・・あれって・・・・玉森?」



「え?!」




北山くんの指差す先に、キョロキョロと辺りを見渡す背の高い男の人。




うわぁ・・・・玉森くんだ。







そこにいたのは、見事なまでの玉森。

まごうことなき玉森。




何で外に??!





いろんな言い訳を一瞬で組み立てようとしたけど、私の頭は、全然回転してくれなかった。




「おい!玉森!」




躊躇なく、北山くんが玉森くんの名前を呼ぶ。




声に気づいた玉森くんは、私と北山くんを見て、大きく目を見開いた。



「玉森もここのマンションに住んでんの?まさか、土屋と同棲してたりして」




冗談目かして北山くんはそう言ったけど、私は全然笑えなかった。




何て言おう。


どう答えれば、北山くんに誤解されずにすむだろう。




あわあわと動揺しまくる私を一瞥して、玉森くんは「偶然同じマンションだったんです」って、涼しい顔でそう言った。




「へぇ、そうなんだ」




「俺もびっくりしました。土屋さんは5階で、俺は7階に住んでます。ね、土屋さん?」




「・・・うん」




怖。



何か、怒ってる?



目が全然笑ってないんですけど。




「すげー偶然だな。つーか玉森はこんな時間に、何で外に突っ立ってんだ?」



「・・・帰ってこないから」



「ん?」



「いや、飼ってる猫が帰ってこなくて。遅くなるなら遅くなるって、連絡してくれればいいのに」



「猫は連絡しないだろ」




「あぁ、そっか。そうですね」





恐ろしく棒読みでそう言って、玉森くんは北山くんの後ろに隠れる私を睨む。





「・・・北山くん、送ってくれてありがとう。帰り道、わかるかな?大丈夫?」



「最寄り駅、一緒だったから。俺んちも、ここからそんなに離れてない」




「そうなんだ!」




ちょぴり喜んでしまった私を、玉森くんが目だけで殺す。




「・・・・じゃあ、気をつけて帰ってね。おやすみなさい」




「おやすみ」




北山くんが見えなくなるまで、私はその場で手を振った。



隣には、もちろん玉森くんを添えて。

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マキ(プロフ) - アニカさん» お久しぶりです。ちまちまとしか書けなくてなかなか筆が進みませんが、どちらとゴールするのか私も知らなくて困っています!笑どうにか完結したものをお届けできるように頑張ります(*^^*) (2021年12月12日 23時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - みゆたままさん» 頑張れるのか、後輩玉森!笑!北山さんと別れる理由もなさ過ぎて、どうしようかと思案してます( ゚Д゚) (2021年12月12日 22時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
アニカ(プロフ) - お久しぶりです。暮れに来て、またまた素敵な切ないお話!玉森くんが本当に玉森くんで(笑)食べちゃいたいほど可愛い!みっくんも不器用に優しくて泣けますね。やっぱりマキさんの作品が読めると、毎日HAPPYになります( ◜‿◝ )♡ (2021年12月8日 3時) (レス) @page1 id: c2540d2c8a (このIDを非表示/違反報告)
みゆたまま - 頑張れーー!!後輩たまもりーーー!! (2021年12月6日 0時) (レス) @page44 id: d71bf58877 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - すいさん» B型コンビのケンカ芸私も大好きです!玉森くんの飄々とした佇まいが好きなので、そういう雰囲気が少しでも出せればと思っています(^-^) (2021年11月14日 2時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年8月1日 23時

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