親切な後輩

第3話『甘やかして欲しい』 ページ13

お風呂から上がった玉森くんは、鼻唄を歌いながら私の買ってきたプリンを食べている。



「・・ご機嫌だね。プリン好きなの？」




「甘やかされるのが好きです」



「・・・そう」



「何でそんな顔するんですか？」



「リアクションに困るから。どうして私に絡むの？」



「俺に興味ないからって言ってるじゃないですか」



「じゃあ、私が君を好きになったらどうするわけ？」




「う〜ん。ここから出ていくのかなぁ？」




「え？！じゃあ好き。好き好き」




「やっぱり土屋さんは興味深いなぁ」



「好きって言ってるんだから、出ていきなさいよ」



「明日、一緒にお風呂入ります？」



「はぁ？」



「冗談です」



「あなたの本気と冗談の境目がわからなくて困ってるの！」


「夜道は一緒に歩きましょう？」



「ほら、またわけのわかんないこと・・・



「これは本気で言ってます。マジのやつです」



「何で？」



「危ないから。心配だから」



「・・・ずいぶんシンプルな理由なんだね」



「そうですよ？俺はすっごくシンプルで、スーパー素直な人間なんだから」



「にわかには信じられないけどね」



私はずっと悪態をついているのに、玉森くんは満足そうに笑っている。



今日も一日、玉森裕太への謎は深まるばかりだった。

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