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ドライヤーで髪を乾かしていたら、突然キッチンの電気がついて軽く悲鳴をあげてしまった。




「ごめん。驚かせちゃった?一応声はかけたんだけど」




「すみません!聞こえてなくて・・・」




「ただいま」




「お帰りなさい」





目だけで微笑んで、藤ヶ谷さんは寝室に入っていく。



私は何だか動けずに、キッチンをしばらくの間見つめていた。





「ちゃんとごはん食べた?」




部屋着に着替えた藤ヶ谷さんが、そう言って私の顔を覗き込む。




「・・・はい」




「調理器具の場所、わかったかな?使い勝手とかあんまり考えてないから、やりにくかったんじゃない?」




「すぐにわかりました。綺麗に整頓されてるから」




「そう?よかった。心配してたんだ。ちゃんとごはん食べられたかなって」




「そんな・・・部屋を貸していただいてるだけで有難いのに、心配までしてもらったら、バチが当たります」




「バチ?どうして?」




「・・・・わからないけど、そんな気がします」




そう呟いた自分の声が拗ねているように聞こえて、私は慌てて下を向いた。




うつ向く私の髪に、藤ヶ谷さんが触れる




「髪、まだ濡れてるよ?ちゃんと髪も乾かせないんだから、心配されたってしょうがないじゃん」




「これはたまたま・・・




「俺が乾かそうか?」




「・・・・自分で乾かします」



「そう?」





からかうように、口角を上げる藤ヶ谷さん。




その顔は、息を飲むほど綺麗だった。





「俺、今からごはん食べるけど、真山さんはお茶でもどう?」




「え?」




「少し話そう。ずっと不安な顔してる」





言えない。






絶対に言えない。






藤ヶ谷さんに恋をしてしまったらどうしようなんて、



そのことが不安なんだって、





そんなの、藤ヶ谷さんだけには知られたくない。

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マキ(プロフ) - ひとみさん» 藤ケ谷さんは絶対女性に優しいイメージがあります!私の好み1000%で書かせていただくことになると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 藤ヶ谷課長が優しくて素敵です! (2021年1月26日 19時) (レス) id: fa74b460d6 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ★mmiioo★さん» 藤ヶ谷さんはひたすら優しい藤ヶ谷さんになりそうです!私が好きなので笑! (2021年1月26日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 優しい課長の藤ヶ谷くん(*´∀`)♪ 今後の展開に期待です! (2021年1月19日 0時) (レス) id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年1月18日 20時

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