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「なぁ」



「はい」



「まだ寝ない?」



「え?」



「一緒に寝たいんだけど」



「抱き枕?」



「うん」



「北山さんって寂しがりやなんですね」



「そうだよ」




真っ直ぐに私を見つめて、真剣な顔して頷くから、それ以上何も言えなくなってしまう。




ベッドに横たわって、北山さんは私を背中越しに抱きしめる。



決して向かい合うことのない私たち。



北山さんがどんな表情をしているのか、私は知らない。




「内緒な」




「・・・え?」




「俺が寂しがりやだってこと」




「そんなこと言う相手いませんよ」



「じゃあいいけど」



「彼女だった人に、言わなかったんですか?本当は寂しいから、抱きついて眠りたいんだって」



「かっこわりぃじゃん」



「変なプライド」



「男なんてそんなもんじゃん?好きな相手に、カッコ悪いと思われたくない」



「言ったらよかったのに」



「ん?」



「嬉しいと思うけどな。好きな人が、自分に甘えてくれるって」



「そうか?」



「北山さんが甘えてたら、今も一緒にいてくれたかもしれませんよ?」



「誰が?」



「お洒落な小瓶の彼女」



「・・・・そうかもな」




北山さんが私を抱きしめる力が強くなって、首もとに押し付けるように顔をうずめた。





私の不用意な一言で、北山さんの寂しさが増長されてしまったかもしれない。




「・・ごめんなさい」




「何が?」




「余計なこと言っちゃった」




「別に余計なんかじゃねーよ」





私は北山さんの好きな人ではないけれど、北山さんが甘えることができるのなら、私は、北山さんの好きな人じゃなくてよかった。

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みき(プロフ) - マキさんご無沙汰してます。そして今頃すみません。全てのシーン私の抱いているみっくんでした。すごいなぁ〜。こんな素敵なお話を描けるマキさんは本当に優しい人なのだろう。私ではないけど彼女の私は沢山幸せをもらいました。さびしいです。ありがとうございました。 (2021年11月1日 15時) (レス) @page49 id: e2d6b3aa5d (このIDを非表示/違反報告)
わわか(プロフ) - 1つずつ終わっていくのがすごく寂しいです。マキさんの言葉、物語がとてもとても好きでした!他のメンバーの話も楽しみであり、終わってしまうのがさみしくもあり。最後までしっかり読ませていただきます! (2021年5月28日 17時) (レス) id: 3db566fc35 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちい★さん» 北山くんが主人公のお話、終わっちゃいました。私の書く北山くんが、北山くんをお好きな皆様にも温かく受け入れてもらえて嬉しかったです!ありがとうございました(*^^*) (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちはるさん» 元は横尾さんがお好きだったんですね(*^^*)北山くんと横尾さんの関係性がとても好きなので、二人のお話が書けて私も楽しかったです!身長差もそうですけど、情熱と冷静みたいな対極な二人がいいなぁと思っています\(^^)/ (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
ちい★(プロフ) - 終わっちゃって寂しいです…。マキさんの書くお話は苦しくなったり幸せになったり…リアルで大好きです!!!読み返してきます★ (2021年5月16日 11時) (レス) id: aba16733a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年1月14日 20時

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