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19(北山さん) ページ19

「ほら」



「え!?こんなにたくさん?」




「だってどんなのが好きなのかわかんねーもん。嫌いなの買ってきて文句言われたくねーし」




「嫌いなものだっていいんですよ」



「ん?」



「私のこと考えて選んでくれたんだっていう、そのこと自体が嬉しいんですから」



「そういうもん?」




「そうですよ。そんなことも知らないんですか?」




「知らん」





嬉しそうにコンビニの袋の中を覗き込む彼女に、じんわりと沸き上がる気持ちを確かに感じる。




その気持ちが正しいのか確かめたくて、彼女の名前を呼んだ。





「A」




「ん?」





振り返って首をかしげる彼女を、ただ黙って見つめる。




「・・・北山さん?」




「嬉しかった?」




「え?」




「チョコレート」




「うん!嬉しかった!」




「どれが好きなの?」




「これ。いちごのやつ」




「ふーん」




「美味しいんだよ?」




「食べたら?」




「いいの?じゃあ、遠慮なく」





ピンク色のチョコレートを一粒取り出して、Aが口の中にそれを入れる。




「やっぱりこれがいちばん好き」




「俺にもちょうだい?」




「うん。どう・・・




差し出されたチョコレートを無視して、Aの唇にキスをした。




「甘・・・」




「・・・・チョコレート、食べたばっかだから」




「うん」





恥ずかしいのか、Aはチョコレートを持ったまま、静かに俺に背中を向ける。




「あのさ」



「・・何ですか?」


「覚えとく」



「え?」



「お前が好きなチョコレート」



「・・・・うん」






やっぱり、正しかった。




好きなチョコレートの種類を覚えておきたいと思うなんて、そんなの、俺が君を好きな証拠だ。

20→←18(北山さん)



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みき(プロフ) - マキさんご無沙汰してます。そして今頃すみません。全てのシーン私の抱いているみっくんでした。すごいなぁ〜。こんな素敵なお話を描けるマキさんは本当に優しい人なのだろう。私ではないけど彼女の私は沢山幸せをもらいました。さびしいです。ありがとうございました。 (2021年11月1日 15時) (レス) @page49 id: e2d6b3aa5d (このIDを非表示/違反報告)
わわか(プロフ) - 1つずつ終わっていくのがすごく寂しいです。マキさんの言葉、物語がとてもとても好きでした!他のメンバーの話も楽しみであり、終わってしまうのがさみしくもあり。最後までしっかり読ませていただきます! (2021年5月28日 17時) (レス) id: 3db566fc35 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちい★さん» 北山くんが主人公のお話、終わっちゃいました。私の書く北山くんが、北山くんをお好きな皆様にも温かく受け入れてもらえて嬉しかったです!ありがとうございました(*^^*) (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちはるさん» 元は横尾さんがお好きだったんですね(*^^*)北山くんと横尾さんの関係性がとても好きなので、二人のお話が書けて私も楽しかったです!身長差もそうですけど、情熱と冷静みたいな対極な二人がいいなぁと思っています\(^^)/ (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
ちい★(プロフ) - 終わっちゃって寂しいです…。マキさんの書くお話は苦しくなったり幸せになったり…リアルで大好きです!!!読み返してきます★ (2021年5月16日 11時) (レス) id: aba16733a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年1月14日 20時

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