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「玉森さん」



「ん?」



「・・・すごい量の資料が三条さんから送られてきてるんですけど」




「そっかぁ。俺が三条に水上さんにとりあえず全部送っといてって言ったからかな」




「完全にそのせいですね」




「安心して?同情はしてるから」




「・・・・嬉しくないです」




「え〜?何で〜?」




全然目は笑っていなかったけど、玉森先輩はそう言って私に微笑みかけた。




どうしても憎むことのできない玉森先輩独特の雰囲気は、高校生の頃から変わっていない。




「少し分担しませんか?」




「しません」




きっぱりはっきり大きな声で、玉森先輩は仕事の分担を拒絶した。




「どんだけ仕事したくないんですか!」




「してるっつーの」





「してない」




「してる!」





「ちょっと?何揉めてるの?」





白熱する私たちに気づいて、三条さんが怪訝そうに立ち上がった。




「あ、揉めてないです!玉森さんにいろいろ尋ねてただけです」




「そう?仲良くしてよ?」




慌てふためく私を、玉森先輩は鼻で笑った。




「・・笑わないでください」




「何で?仲良くしてよ、水上さん」





結局、私はいつだって玉森先輩に丸め込まれてしまうんだ。




この、鬼のような仕事の量だって、一人で何とか片付けるんだろう。





「玉森さん」




「ん〜?」




「どうして三条さんのこと呼び捨てにするんですか?上司なのに」





「だって同期だもん」




「え?!!!」




「三条〜」




「何?」




「水上さんが三条のこと老けてるって言ってる」




「言ってません!!」





誤解を解くべく、三条さんに駆け寄る私の背後から、玉森先輩の笑い声が聞こえる。






何て意地悪なんだろう。





それなのにどうして先輩の笑顔は、こんなにも魅力的に映るんだろう。

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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね!すみません( ;∀;)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑! (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです!先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です!!続きも楽しみにしています! (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年11月25日 23時

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