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「バカじゃねーの?何でついてきたんだよ」




「だって・・・・」




新堂さんが試着室に入った瞬間、私は玉森先輩に一方的に責め立てられた。




「強引に帰ればよかっただろ?他人の試着見て何が楽しいんだよ」



「・・・私が悪いんですか?」



「そうだよ!」




言い返そうとした瞬間、「ご準備できました」って、お店の人がうやうやしく試着室のカーテンを開けた。





「・・・綺麗」




思わず言葉がこぼれ落ちてしまうくらい、美しいドレスと新堂さんがいて、私はしばらくの間、その姿にみとれていた。




「裕太、どうかな?」





「うん。いいと思う」
 




「感想、それだけ?」





少し不満そうだったけど、綺麗なドレスを前にすると、新堂さんの機嫌もすぐに戻ってしまう。




幸せの真っ只中にいる二人は、私にはあまりにも眩しい。





「そうだ、水上さん」




「・・はい」




「水上さんも婚約パーティーに来て?」
 



「え?!」




「いいでしょ?水上さんには絶対に来て欲しいの」
 


「ちょっと新堂さん、それは無理があるよ。婚約パーティーには、君のお父さんの賓客しかこないのに」




「いいの!私が来て欲しいんだから。エスコートは北山くんにお願いしてあげる。最近仲良くしてるって、風の噂で聞いたから」





「新堂さ・・・




「来てくれるわよね?裕太はあなたの先輩なんでしょ?ちゃんとお祝いしてあげて?」






何も、言葉が出なかった。





私は新堂さんに試されている。




「裕太・・職場じゃないんだから、新堂さんなんて呼ばないで?いい加減、他人行儀は嫌だから」






私がパーティーに行けば、新堂さんは安心してくれるだろうか。




私の存在は、新堂さんを疑心暗鬼にしてしまう。




「・・・行きます」




「本当?嬉しいわ」






玉森先輩は一瞬だけ驚いた顔をしたけど、すぐにいつものポーカーフェイスに戻した。



 

着替える為に、新堂さんが再び試着室に入る。





「彼女を家まで送ってくるから、1時間後、そこのカフェで待ってろ」




「え?」





私の耳元で素早くそう言った後、先輩は何事もなかかったように、手元の雑誌に手を伸ばした。

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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね!すみません( ;∀;)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑! (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです!先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です!!続きも楽しみにしています! (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年11月25日 23時

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