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会社を出て、駅までの道を歩いていると、一台の高級車が近づいてきて、私の側で停車した。
助手席の窓をあけて、「水上さん」って、親しげに私を呼んだのは、ご機嫌な様子の新堂さんだった。
「新堂さん」
「仕事の帰りでしょ?この後時間ある?」
「え?」
運転席にいる玉森先輩は、不機嫌な顔をして、真っ直ぐに前を向いたまま、私のことを見ようとはしなかった。
「これから婚約パーティーのドレスを受け取りに行くんだけど、水上さんも一緒に行かない?」
「一緒に?どうして私が・・・」
「いいじゃない。試着もするから、感想を聞かせて欲しいの」
「感想なんてそんな・・私にはおしゃれのセンスが皆無なので・・・」
「いいから、乗って?」
私を急かす新堂さんに、先輩はようやく口を開いた。
「無理強いはよくないよ。俺がちゃんと感想言うから」
「ダメ。水上さんの意見が知りたいの!」
わざわざ車を降りて、新堂さんは私を後部座席に乗せる。
「オーダーメイドなのよ」って、新堂さんは嬉しそうに笑った。
幸せなんだ。
だって、もうすぐ結婚するんだもん。
好きな人を選んで、その人に選ばれる。
気持ちが通じ合う瞬間って、どんな感情になるんだろう。
体験していない気持ちは、なかなか想像できなくて、私は幸せな二人を前にして、うつむくことしかできなかった。
「下向いてると酔うぞ」
ミラー越しに玉森先輩と目が合った。
きっと私は、酷い顔をしてる。
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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね!すみません( ;∀;)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑! (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです!先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です!!続きも楽しみにしています! (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
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