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「自分の立場利用しすぎじゃないの?履歴書勝手に引っ張り出していいわけ?!」
ご立腹の三条さんを、私と千賀さんが必死でなだめる。
「新堂さんも心配になったんだと思います。私が玉森さんのサポートしてるって知って」
「仕事でしょ?女子高生じゃないんだからさぁ、ヤキモチやくのも大概にして欲しいわ」
「・・・すみません。玉森さんと顔見知りだったこと黙ってて」
「別にあなたは悪くないでしょ?同じ高校だから何だっつーの!あの人、ちょっと大袈裟なのよ。・・・あれ?でも玉森くんと同じ高校ってことはS高?あそこ、すっっっっごく素行悪いわよね?水上さんのイメージとかけ離れてるけど」
「・・志望校に、落ちまして・・・その、滑り止めといいますか・・
「俺は本命だったけど」
「あ、いい学校ですよ!個性的だけど」
「大丈夫だった?いじめられたりしなかったの?」
「それは、全然!親しい友達もできなかったですけど」
「友達できなかったの?!3年間?」
「・・・はい、3年間」
「やだぁ。そんな・・・そんなの孤独じゃない。可哀想よぉぉぉ」
「え?え?三条さん?」
驚くことに三条さんは、高校生の頃の私に思いを馳せて、目を真っ赤にして泣き出した。
「・・いい子なのに、水上さん」
「千賀さんまで!?」
三条さんの隣で、千賀さんまで目を赤くする始末。
「三条と千賀で劇団でもつくれよ。感受性豊か過ぎんだろ」
玉森先輩が呆れたようにそう呟く。
「冷たいわねー!冷酷人間!」
三条さんに伝えることはできないけど、私の高校生活は、玉森先輩のおかけで孤独ではなかった。
玉森先輩と過ごした時間は、たったの1年足らずだったけど、それでも、玉森先輩との日々は、私の二十数年の人生の中で、一番眩しい日々だったんじゃないかって、そんなふうに思うんだ。
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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね!すみません( ;∀;)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑! (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです!先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です!!続きも楽しみにしています! (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
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