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いつも通り、新堂さんはお昼の時間に現れて、いつも通り、三条さんは不機嫌に顔をしかめた。
「あれ？玉森くんは？」
「・・・今、事務室に・・」
「ふーん」
不満そうに頷いて、新堂さんは玉森先輩の席に座る。
「そういえばさぁ、どうしてあなたは玉森くんの隣の席なの？前にいた人の席、そこじゃなかったわよね？」
「・・それは、玉森さんを補佐するように言われているので、隣の席の方が都合が・・
「補佐？！」
新堂さんのすっ頓狂な声に、私の身体は萎縮した。
「ちょっと三条さん！どういうこと？！」
矛先は三条さんに向けられて、三条さんは何故か腕捲りをして立ち上がる。
「何か？」
「何でこの人が玉森くんを補佐する必要があるの？そんな役割の人、今までいなかったよね？」
「私に言わないでよ。水上さんを自分の専属にしたいって言ったのは玉森くんなんだから」
専属なんて、先輩は言ってない。
火に油どころか、油に火炎瓶をぶちこむ三条さん。
新堂さんにムカついてもぐっとこらえてるんじゃなかったんですか？
私には、三条さんはバリバリの戦闘態勢に見えるのですが。
三条さんが新堂さんに殴りかかるのではないかとハラハラしていた時、タイミングよく先輩が事務室から戻ってきた。
「ん？どうかした？何でみんな立ってんの？」
ピリついた空気にきづいているのかいないのか、玉森先輩はそう言って笑った。
「玉森くん！補佐って何？」
「補佐？」
「私は玉森さんを専属で補佐してるんですってこの人がそう言ってたから」
悲しそうに目を伏せた新堂さんが指を差したのは私で、驚きあまり、全然言葉が出なかった。
玉森先輩は一瞬驚いたような顔をして、それからすぐに表情を柔らげる。
「そんな言い方、水上さんはしないよ。どうせ三条あたりが大袈裟に言ったんでしょ？水上さんには、少し俺の仕事を手伝ってもらってるだけだよ」
「でも・・・」
「水上さんに手伝ってもらわないと、君とランチに行く時間も取れないけど、それでいい？」
「・・やだ」
「ん。じゃあ、食事に行こう」
あっという間に新堂さんをなだめて、先輩は彼女を連れて外に出ていく。
「まるで猛獣使いね」
三条さんは苦々しげにそう言って、捲っていた袖を戻した。
いつも子どもっぽい玉森先輩が、新堂さんの前では、ちゃんと大人の男の人に見えた。
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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (
レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね！すみません( ；∀；)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑！ (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです！先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です！！続きも楽しみにしています！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
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