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オフィスには数人の社員さんがいて、三条さんが一人一人に私を紹介してくれた。
「あと一人いるんだけど、ギリギリにしか来ないのよ」
時計を見ると、始業時間の3分前だった。
さぞかしマイペースな人なんだろうと思いながら待っていると、本当に始業時間の数十秒前にドアを開く音がした。
「来た来た。本当にギリギリなんだから」
三条さんがそう言って、「紹介するから」って私に手招きをする。
「こちら、水上Aさん。佐藤さんが帰ってくるまで一緒に働いてもらうから」
「よろしくお願いします」
勢いよく頭を下げた私に、相手から返事は返ってこない。
「ちょっと、自己紹介くらいしなさいよ！玉森くん」
・・・え？
玉・・森？
今、玉森って言ったの？
聞き馴染みのない、少し珍しい名前。
だけど私はこの名前を、とてもよく知っている。
恐る恐る顔を上げた先には、私が想像した通りの顔があった。
だけど、相手は私の顔を見ても、眉毛一つ動かさずに「どーも」ってそれだけ言った。
「・・・水上です。よろしくお願いします」
やる気のない会釈をして、その人は自分の席に座った。
「ごめんね？あれが玉森くんの通常運転なのよ」
三条さんは呆れたようにそう言った後、私に仕事の内容を細かく教えてくれた。
背中越しに、彼の気配を感じる。
私のこと、全然覚えていないんだ。
何だかほっとして、だけど少しだけ悲しかった。
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にかみつば(プロフ) - マキさん» いえいえ。読んでみたいなと思った物から読んでいたので、教えてもらってなかったら後回しにしてしまっていたと思うので、素敵な作品に出会えて嬉しかったです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月13日 22時) (
レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» こちらを既に読まれていると勝手に思い込んでいました(>д<)ネタバレでしたね！すみません( ；∀；)この話はなかなか辛いものがありますよね。自分で書いてて可哀想って思ってました笑！ (2020年7月13日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 他小説へのコメントの返信を拝見しこちらも読んでみたくなりました。優しさを優しさと受け取る事が許されない切なさや、婚約パーティーに出席しようと決めた心情などが丁寧に書かれていて引き込まれました。この主人公の女性の心も綺麗過ぎて泣けます。 (2020年7月12日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかはるさん» ありがとうございます(*^^*)切ない気持ちになってくださって嬉しいです！先は私にも全然見えてなくて怖いですが、《2》にも遊びにきていただけたらと思います(^-^) (2020年5月31日 10時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
にかはる(プロフ) - 切なすぎて号泣です！！続きも楽しみにしています！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
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