1 (横尾くん) ページ1
34歳になった。
社会人になって10年以上経ったということだ。
思い描いていた10年後の自分とはほど遠くて、ちょっと笑ってしまう。
・・誕生日か。
別に予定はなく、予定が欲しいとも思わない。
誕生日を特別だと思わなくなったのは、いったいいつからなんだろう。
母親にメールくらい送ろうかな。
"生んでくれてありがとう"って。
そういうのは大事だ。
確かに34年前の今日、母親はお腹を痛めて俺を生んでくれたんだから。
「・・尾くん。横尾くん！！」
大声で名前を呼ばれて顔を上げると、同期の来栖が弁当箱を持って、俺の向かい側に座っていた。
「ん？」
「ん？じゃないよ！何回も呼んだのに」
「何回？」
「2回！」
「2回を何回もって言わないんだよ」
「口答えしないでくれる？1回で返事しなかったくせに」
馬鹿馬鹿しくなって、俺は自分で作った弁当に再び視線を戻す。
「一緒に食べていい？」
「もう弁当箱開けてんじゃん」
「私も作ってきたんだ〜」
「全部レンチンだろ？」
「何でわかるの！？」
「お前料理できないだろ」
「できるよ。お弁当作ってるでしょ？」
「ほら」って、来栖は彩りの悪い弁当を俺の前に差し出した。
「全部唐揚げじゃん。酷いな」
「酷いの？唐揚げが？」
「何個入ってんだよ」
「横尾くんのは美味しそうだね〜」
「お前のよりはな」
「これ食べてあげる」
「あ！」
俺、今日から34なんだよ。
何でこんなあほらしいやり取りしてんだろ。
「来栖」
「何？」
「お前ずっとそんななの？」
「そんな？」
「太輔の前でも」
「太ちゃ・・・太ちゃん！あー！！」
うるせー女。
突然の大声に思わずびくついてしまう。
「横尾くん、今日お誕生日なんでしょ？」
「・・・まぁ」
「太ちゃんが、3人でお祝いしようって」
「やだよ」
「やじゃないよ！20時に太ちゃんのマンションに集合ね」
「行かないって」
「行くの！手ぶらでいいよ？お誕生日なんだから」
「来・・・
「じゃあ、20時にお会いましょう！」
来栖は弁当箱をしまって、嵐のように立ち去っていった。
「食うの早っっ」
俺の弁当は、まだ半分も減っていない。
あれだけ喋っていながら、いつの間にあいつは弁当を完食したんだろう。
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マキ(プロフ) - ソフィアさん» 一目惚れって素敵ですね〜！そのお方はどんなにかっこよかったんだろうって思わず想像してしまいました。自分が好きな雰囲気ってありますよね！私の場合は横尾さんがまさにそれです笑！(*^^*) (2020年9月28日 0時) (
レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 玲さん» 藤ヶ谷さんと七瀬さんを知り合いにしたのは、思い付きでやってしまいまして、私のいつもの癖なのですが(>д<)物語の終わりに吉と出るか凶とでるか、話の流れどうするつもりなのか書いている私も知らないというツッコミ所満載な感じでお送りしていますm(._.)m笑 (2020年9月28日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - なぁままさん» ありがとうございます。全然更新できなくて申し訳ないです( ；∀；) (2020年9月27日 23時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - すごーくありきたりなんですが、高校入ってすぐに一目惚れした彼にはすでに彼女がいて…わんわん泣いたのを思い出しました。なつかしーなー、すっごい昔の話。 (2020年8月18日 12時) (レス) id: 06f6b1f19d (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - まさかの藤ヶ谷さんと七瀬さんに共通の過去が！この展開は本気で予想外でした！なぜ信じる！！！！←ここめっちゃ気に入ったので私も普段使いしちゃおうかな(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年8月17日 23時) (レス) id: d67bf6cc3e (このIDを非表示/違反報告)
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