検索窓
今日:33 hit、昨日:23 hit、合計:360,747 hit

3 ページ3

「住むって・・冗談よね?冗談だよね?玉森くん!」



「本気だけど?」



「私ととしくんの部屋と、Aの部屋しかないの。あなたのスペースはないの!」



「そうだよ、玉。見ての通りリビングも狭いし、布団を敷く場所さえないから」




「妹の部屋でいい」



「え?!」



「妹の部屋に布団敷けばいいじゃん」



「いや、そんな、無理です」



「何で?」



「何でって・・・常識的に考えて・・



「常識なんかくそくらえ!」




何この人。



校舎の窓ガラス割りまくってたタイプの人?

盗んだバイクで走り出しちゃうタイプの人?





「ダメに決まってるでしょ?大事な妹を同じ部屋で寝泊まりさせるわけにはいかない」





「じゃあ妹出てってよ。俺が妹の部屋一人で使うから」




「私が?」




「玉森くん、ふざけないでくれる?」




「じゃあどうすればいいわけ?」




「あなたがこの家に住もうとしなければいいわけ」




「それは無理だな」




「何で?」




「部屋、解約してきちゃった」





わざとらしく微笑む顔は、天使みたいに可愛い。



こんなに綺麗な男の人、初めて見た。




「え?玉、住むとこないの?」




「そうだよ?お前にできるか?俺をここから追い出すなんてこと」




「・・・・できない」




沈痛な面持ちで、宮田さんは首を振る。




「何でよ!追い出してよ!」





宮田さんの胸ぐらを掴んでお姉ちゃんが叫ぶのを、玉森さんは楽しそうに眺めていた。





「和香ちゃん、落ち着いて?玉は信用できる男だよ。Aちゃんを怖がらせることなんて、絶対しないから」





「信用できるわけないでしょ?」





「和香ちゃんは俺を信じてる?」





「もちろんだよ!」




「俺を信じてるってことは、玉を信じてるってことだよ?わかる?」




わからんわからん!!





「うん、わかる」





なぜ?!!!!!!




思考回路どうなってんの?

私はショート寸前。




理解不能の同級生3人。



随分年下の私の方が、絶対にまともだ。





「・・あの、話、どこに着地したの?」




「Aの部屋に玉森くんを押し込む」




「え?そんなの困るよ!」




「何で?3対1だよ?」




「多数決制ですか?!」




玉森さんは欠伸をして、宮田さんはニコニコ微笑んでいる。





どうして私の部屋は、8畳もあるんだろう。




布団が敷けちゃうじゃないか。





大袈裟に頭を抱えたのに、誰も気にしてくれなかった。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (751 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1573人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にかみつば(プロフ) - 北山くんのお話を優先して読んでたのですが、こちらも読んでみたらとても面白くてハマりました。三上先生の登場で更に面白い展開になってきて続きが楽しみです。いつも素敵なお話を作ってくださり、公開してくださりありがとうございます。 (2020年7月17日 16時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - marumarusubasubさん» marumaruさんは、もしかして横尾担様でしょうか?もしそうなら一緒です〜\(^^)/こちらが終わったら、書きかけの横尾さんのお話に取り組みたいと思ってます。いくつかお話をかかえてないと頑張れないので、未完がたくさんあるのがたまに傷な私です笑(*´-`)頑張ります★ (2019年9月16日 8時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
marumarusubasub(プロフ) - レスありがとうございます。嬉しいです。すごく読みやすく、特に横尾さんのお話大好きです。個人的に横尾さんのお話熱望ですm(_ _)mこれからも楽しみにしています! (2019年9月14日 20時) (レス) id: 7cd9d44213 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちい★さん» 本当に( ;∀;)やっとだったのに。設定的に30年近くかけて、初めて人を好きになったのに。。という、やりきれない気持ちになりました(自分で書いておきながら笑)。皆さんが願ってくださるラストになればいいなと思いながら(私も先は知らないのです)更新がんばります★ (2019年9月14日 15時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - わわかさん» わわわわ(*´-`)私の書いたお話にかわいさを感じてくださってるなんて〜(*^-^*)嬉しいな♪ちょっと今の展開は穏やかではありませんが、ほんわかじんわりなお話に戻れるように苦しい場面を乗り越えたいと思いますp(^^)q (2019年9月14日 15時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。