第八話『僕と君の話』(玉森くん） ページ39
ぐちゃぐちゃの心を抱えたまま、出社した。
すでに席についている、横尾さんと栗原。
「おはよ。玉森くん」
「・・・・・おはよ」
「どうしたの？」
「何が？」
「不機嫌な顔してる」
「もともとこんな顔だよ」
「・・・そう？」
栗原は腑に落ちない表情をしながらも、それ以上何も言わなかった。
「横尾さんと付き合ってんの？」
「興味ある？私と横尾さんのことに」
「ない」
「そうでしょ？じゃあ、そんなことより事務に提出する書類の期限を気にした方がいいよ。提出してないの、玉森くんだけみたいだよ？」
この、焦燥感はなんだろう。
何に焦ってんのかわかんなくて、取り返しのつかないことが起こっているような気持ちになって、目の前の栗原が、すごく遠くに感じる。
栗原の気持ちに薄々気がついていたくせに、自分の気持ちには少しも気付けなかった。
どうして失くさないと気付けないんだろう。
目の前にある時に、どうして大切にしなかったんだろう。
もう、きっと間に合わない。
栗原の背中を押したのは、俺なんだ。
「・・・俺のお世話係なんて、もうしなくていいよ」
「わかってる。これで最後にする。これからは、自分で確認してね？書類の期限も、資料の誤字脱字も」
「・・・・うん」
今までありがとう、とか、横尾さんはいい人だと思う、とか、そういう言葉をかけるべきなんだと思うのに、どうしてもそれができなくて、唇を噛み締めながら、どうにかこの気持ちに抗おうとしている。
違う。
違う。
違う。
気付くのが遅すぎたんだから、これを恋と呼んではいけない。
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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ；∀；)嬉しいです！ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (
レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです！マキさんの作品、本当に大好きです！！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした！展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです！玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね！時間が経つのが早くてびっくりしてます笑！ (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
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